新幹線のチケットはなぜ2枚でないといけないのですか？

新幹線チケットの謎：なぜ2枚体制？

新幹線に乗る時、切符が2枚出てくることに疑問を持ったことはありませんか？ 一見無駄に思えるこのシステムには、実は日本の鉄道の歴史と効率性を両立させるための秘密が隠されています。

新幹線の切符は、「乗車券」と「新幹線特急券」の2種類で構成されています。それぞれ役割が異なり、

乗車券: 乗車駅から下車駅までの運賃を示す基本的な切符です。新幹線区間だけでなく、在来線区間を含む場合もあります。例えば、東京駅から熱海駅まで新幹線で行く場合でも、乗車券には在来線の区間も含まれていることがあります。

新幹線特急券: 新幹線に乗車するための料金を示す切符です。乗車する区間や座席の種類（自由席・指定席・グリーン車など）によって料金が異なります。

では、なぜこの2枚体制が採用されているのでしょうか？

その理由は、日本の鉄道網の歴史に遡ります。新幹線が開業する以前から、日本には在来線を中心とした鉄道網が存在していました。新幹線は、この既存の鉄道網に後から追加された高速鉄道システムなのです。

もし、新幹線に乗る際に1枚の切符ですべてを賄おうとすると、在来線と新幹線の運賃体系を複雑に統合する必要が生じます。これは、既存のシステムを大きく変更する必要があり、非常に困難な作業となります。

そこで、2枚の切符に分けることで、在来線と新幹線の運賃体系をシンプルに保ちつつ、新幹線利用者にも分かりやすい料金設定を実現しているのです。

さらに、2枚体制にはもう一つの利点があります。それは、自動改札機によるスムーズな乗車と運賃精算です。

2枚の切符を同時に自動改札機に通すことで、乗車券の情報と新幹線特急券の情報が瞬時に照合され、適切な運賃が計算されます。これにより、乗客はスムーズに改札を通過することができ、駅員の負担も軽減されます。

一見無駄に思える2枚の切符ですが、そこには日本の鉄道の歴史と効率性を追求した工夫が詰まっているのです。新幹線に乗る際は、ぜひこの2枚の切符の役割に思いを馳せてみてください。