日本一急勾配な駅はどこですか？

日本一急勾配の駅

日本の鉄道網には、急勾配の区間が数多く存在します。その中でも、最も勾配が厳しい区間を有するのが、大井川鐵道の大井川本線です。

大井川本線の「アプトいちしろ駅」と「長島ダム駅」の間には、驚異的な90パーミル（1000分の90）の勾配があります。これは、1キロメートル進む間に90メートルの標高差があることを意味します。

この急勾配を克服するために、大井川本線では「アプト式」と呼ばれる特殊な鉄道技術が採用されています。アプト式では、レールと車輪の間にラックと呼ばれる歯車が設置され、機関車と車両を固定します。このラックと齿車を噛み合わせることで、摩擦に頼ることなく急勾配を登坂できます。

アプト式鉄道は、急勾配を克服するために開発された画期的な技術であり、鉄道技術史において重要な役割を果たしてきました。大井川本線は、この貴重な技術を現在も活用しており、日本一急勾配の駅としてその名を馳せています。

急勾配がもたらす影響

急勾配の路線は、鉄道の運行にさまざまな影響を与えます。

• 登坂時の速度低下: 急勾配では、列車の速度が大幅に低下します。大井川本線では、アプトいちしろ駅から長島ダム駅までの区間は、最高速度が時速わずか15キロメートルに制限されています。
• 牽引力の増強: 急勾配を登坂するには、通常よりも強力な機関車が必要です。大井川本線では、アプト式機関車が使用され、最大で10両もの客車を牽引できます。
• ブレーキの強化: 急勾配では、列車を安全に停止するには強固なブレーキシステムが必要です。アプト式鉄道では、ラックおよび歯車を利用したブレーキが採用されています。

急勾配の路線は、鉄道の運行をより困難にする反面、乗客に壮大な景色を提供します。アプトいちしろ駅から長島ダム駅までの区間は、大井川の清流や周囲の山々の絶景が楽しめることで有名です。