特急はくは何線ですか？

特急「はくたか」はもう走っていません！その理由と、名前の変遷を辿る

「特急はくは何線ですか？」と尋ねられた場合、残念ながら現代においては正確な答えを出すことができません。なぜなら、特急「はくたか」は2015年の北陸新幹線開業に伴い廃止された列車だからです。 しかし、「はくたか」という名前は、鉄道ファンにとって特別な響きを持つ列車でした。その歴史を紐解き、なぜ「はくたか」が消えてしまったのかを振り返ってみましょう。

かつて「はくたか」は、上野駅と金沢駅を結ぶ特急列車として、信越本線（高崎線、上越線、信越本線経由）を走行していました。国鉄時代から長きに渡り、首都圏と北陸地方を結ぶ大動脈として活躍し、多くの人々に利用されていました。特にスキーシーズンには、多くのスキー客を乗せて雪山へと向かう姿は、冬の風物詩とも言えるものでした。

しかし、時代の流れとともに「はくたか」の役割は変化していきます。1997年の北越急行ほくほく線開業により、越後湯沢駅経由で金沢駅を結ぶルートが登場し、大幅な時間短縮が実現しました。これに伴い、「はくたか」は上越新幹線と接続する特急列車として、越後湯沢駅 – 金沢駅間を走るようになります。従来の信越本線経由の「はくたか」は廃止され、名称は引き継がれましたが、その性格は大きく変わりました。

そして2015年、北陸新幹線が金沢まで延伸開業したことにより、並行する在来線は第三セクターに移管され、特急「はくたか」は役目を終え廃止となりました。新幹線によって首都圏と北陸地方のアクセスが飛躍的に向上した一方で、長年親しまれてきた「はくたか」の姿が見られなくなったのは、少し寂しい気もします。

現在、北陸新幹線には「はくたか」の名前が引き継がれ、東京駅 – 金沢駅間を結ぶ列車として運行されています。つまり、現代において「はくたか」は新幹線の列車名であり、特定の路線を指すものではありません。

「はくたか」の歴史を振り返ることは、日本の鉄道の発展と変化を物語る上で重要な意味を持ちます。かつて信越本線を駆け抜けた「はくたか」の雄姿を、心に刻んでおきたいものです。