箱根登山鉄道はどのくらい時間がかかりますか?

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箱根登山鉄道は、箱根湯本駅から強羅駅まで約40分で、8.9kmの距離を走破します。開業は1919年で、歴史ある山岳鉄道として知られています。特に、粘着式鉄道としては日本最大級の急勾配である80‰(パーミル)を登る姿や、スイッチバックは鉄道ファン必見です。

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箱根登山鉄道、悠久の時を刻む山岳鉄道の旅:40分間の魅力を紐解く

箱根登山鉄道。その名は、温泉地として名高い箱根の雄大な自然の中を縫うように走る、歴史ある山岳鉄道を指します。箱根湯本駅から終点の強羅駅まで、わずか8.9km、所要時間約40分。一見すると短い旅路に思えるかもしれません。しかし、この40分間には、他の鉄道では味わえない独特の魅力が凝縮されているのです。

1919年の開業以来、箱根登山鉄道は100年以上の歴史を刻んできました。その歴史は、単なる移動手段としての役割を超え、箱根の観光発展に大きく貢献してきた証でもあります。急峻な山肌を登るため、この鉄道は数々の難工事を乗り越えて建設されました。そして、その過程で生まれた数々の工夫こそが、今日の箱根登山鉄道の魅力を形作っているのです。

最大の魅力の一つは、日本最大級の急勾配です。粘着式鉄道としては日本一の80‰(パーミル)という急勾配を、力強く登っていく光景は圧巻です。80‰とは、水平方向に1000メートル進むごとに80メートル上昇する勾配を意味します。この急勾配を登るため、強力なモーターを搭載した車両が採用されています。車窓からは、眼下に広がる箱根の街並みが徐々に小さくなっていく様子を眺められ、まるで空に向かって登っていくかのような錯覚を覚えます。

そして、もう一つの見どころが「スイッチバック」。急勾配を登るために、電車はジグザグに斜面を登っていきます。進行方向を変えながら登るこの独特の走行方法は、まさに山岳鉄道ならではの光景です。スイッチバックの度に、車掌と運転士が入れ替わる様子も、旅情を掻き立てます。

箱根登山鉄道の旅は、単なる移動時間ではありません。それは、四季折々の自然の美しさに触れ、歴史を感じ、鉄道技術の粋を体感する、特別な時間です。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節によって移り変わる車窓の風景は、何度訪れても飽きることがありません。

車内からは、早川渓谷の清流や、緑豊かな山々、そして点在する温泉宿など、箱根の魅力を存分に楽しむことができます。また、沿線には、彫刻の森美術館や箱根ガラスの森美術館など、魅力的な観光スポットが点在しており、途中下車して散策を楽しむのもおすすめです。

箱根登山鉄道は、箱根観光の重要な一部として、多くの人々に愛され続けています。40分という短い時間ながらも、その中には、歴史、自然、そして鉄道技術の結晶が詰まっています。箱根を訪れる際には、ぜひ箱根登山鉄道で、忘れられない山岳鉄道の旅を体験してみてください。 その魅力は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。 ゆっくりと流れる時間の中で、箱根の自然と歴史を感じながら、特別な旅情に浸ってみてはいかがでしょうか。