ゲームセンターは風営法違反になるのですか?

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風営法は、ゲームセンターにおける「ゲーム機賭博」の防止を目的としています。 遊技の結果が点数や勝敗で明確に示される設備は、賭博性の有無が厳しく審査されます。 また、少年の非行につながる可能性も考慮され、運営には厳しい規制が課せられています。 従って、ゲームセンター全てが違法という訳ではありませんが、運営方法によっては法令違反となるリスクがあります。

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ゲームセンターは風営法違反になるのですか?その答えは、単純な「イエス」か「ノー」では片付けられません。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)は、一見するとゲームセンターとは無関係に思えるかもしれませんが、実際には、その運営方法によっては、確実に違反となる可能性を孕んでいます。特に、射幸心を煽るようなゲーム機や、景品提供の方法によっては、風営法第2条に規定される「風俗営業」に該当する可能性があるからです。

風営法の核心は「賭博の防止」にあります。しかし、「賭博」の定義は、単なる「金銭の授受」だけではありません。遊技の結果が得点や順位として明確に示され、その結果に基づいて景品が提供される場合、特に高額な景品や、換金性の高い景品の場合、射幸心を煽り、賭博に類似する行為とみなされる可能性が高いのです。風営法違反となるかどうかは、個々のゲーム機の仕様、景品の価値、換金性、そして運営方法全てを総合的に判断して決定されます。

例えば、クレーンゲームは一見すると、賭博とは無関係のように見えます。しかし、クレーンゲーム機の設定によっては、景品を獲得することが極めて困難になり、結果として射幸心を煽る可能性があります。さらに、獲得した景品を換金できるシステムがあれば、風営法違反に問われるリスクは格段に高まります。これは、クレーンゲームに限らず、メダルゲームや、その他の景品を提供するゲーム機にも共通して言えることです。

重要なのは、「賭博」の成立要件です。一般的に、賭博には以下の要素が含まれます。

  1. 金銭等の賭けの対象となるもの: 必ずしも現金とは限りません。景品も含まれます。
  2. 偶然による勝負: 操作の腕前だけでなく、機械の不確定要素が勝敗に大きく影響するゲームは危険です。
  3. 金銭等の利益を得る目的: 景品の価値が大きすぎたり、換金性が高すぎたりする場合は、この要素が満たされると判断される可能性があります。

これらの要素が、ゲームセンターの運営においてどれほど満たされているかによって、風営法違反となる可能性が左右されます。例えば、景品の価値を低く抑え、換金システムを設けない、ゲーム機の難易度を適切に設定する、といった対策は、風営法違反のリスクを軽減する上で非常に有効です。

さらに、風営法は少年の健全育成にも配慮しています。未成年者に対して、射幸心を煽るようなゲームを提供することは、非行を助長する可能性があり、厳しく取り締まられます。未成年者の利用制限や、保護者同伴の義務付けなど、適切な対策が求められます。

結論として、ゲームセンターが必ずしも風営法違反となるわけではないものの、その運営方法によっては、確実に違反となるリスクが存在します。適切な景品設定、換金システムの有無、ゲーム機の難易度調整、そして未成年者への対策など、法令を遵守した運営を行うことが、ゲームセンター事業者にとって非常に重要です。 常に最新の法令を理解し、専門家の意見を求めることも、リスク回避の有効な手段と言えるでしょう。 安易な運営は、事業の存続を脅かす可能性があることを、常に念頭に置いておく必要があります。