バイトの弁償金は給料から天引きされるのですか？

バイトの弁償金、本当に給料から天引きされる？ 知っておくべき法的知識

アルバイト先で何か物を壊してしまったり、ミスをして会社に損害を与えてしまったりした場合、「弁償金」を請求されることがあります。そんな時、「給料から天引きします」と言われたら、どうすれば良いのでしょうか？

結論から言うと、原則として、アルバイトの給料から弁償金を天引きすることは違法です。これは、労働基準法という法律で明確に定められています。

労働基準法24条1項「賃金全額払いの原則」とは？

この法律では、労働者に対して賃金（給料）を「その全額」を支払わなければならないと定められています。これは、「賃金は、労働者の生活を支える基盤であり、保護されるべきである」という考え方に基づいています。つまり、弁償金という名目で勝手に給料を減額することは、この原則に違反する行為となるのです。

もし弁償の必要がある場合、どうすればいいの？

では、アルバイトに弁償責任がある場合、会社はどうすれば良いのでしょうか？

会社は、まずアルバイトに対して損害賠償請求を行うことができます。ただし、その請求額が妥当であるかどうか、なぜ弁償責任が発生したのかなど、双方で十分に話し合う必要があります。

もし話し合いで解決しない場合は、会社は法的な手続きを取る必要があります。具体的には、裁判所に訴訟を起こし、裁判所の判決に基づいて弁償金を回収することになります。つまり、会社が一方的に給料から天引きすることは、法律で認められていないのです。

こんなケースも違法の可能性が…

• 事前に同意書にサインしていた場合: 「何かあったら給料から天引きします」という内容の同意書にサインした場合でも、それは無効とされる可能性が高いです。法律は、個人の同意よりも優先されます。
• 会社が定めたルールで天引きされる場合: 就業規則などに「弁償金は給料から天引きする」と定められていたとしても、それは違法です。
• 少額だから…と泣き寝入りする場合: 金額の大小に関わらず、法律違反であることに変わりはありません。

困った時は専門機関に相談を！

もしアルバイト先から給料の天引きを強要されたり、不当な弁償金を請求されたりした場合は、一人で悩まず、以下の専門機関に相談してみましょう。

• 労働基準監督署: 労働基準法違反に関する相談に乗ってくれます。
• 弁護士: 法的なアドバイスや交渉、訴訟の代理などを依頼できます。
• 労働組合: 労働者の権利を守るための団体です。

最後に

アルバイトであっても、労働者としての権利は守られています。不当な扱いに泣き寝入りせず、正しい知識を持って、自分の身を守りましょう。そして、万が一の事態に備えて、日頃からアルバイト先のルールや契約内容をしっかり確認しておくことが大切です。

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