不法侵入の公訴時効は?

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住居侵入罪の公訴時効は3年です。これは、住居侵入罪の法定刑が3年以下の懲役または罰金であるためです。刑事訴訟法第250条2項6号に定められています。

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侵入罪の公訴時効:知っておくべきポイントと注意点

「ちょっとしたつもりだった」が、実は重大な犯罪だった。そんなケースの一つに「侵入罪」があります。軽い気持ちで他人の敷地や建物に立ち入ってしまった場合、どのような法的責任が生じるのでしょうか?そして、気になるのが「いつまで罪に問われる可能性があるのか?」という点、つまり公訴時効です。

この記事では、侵入罪の公訴時効について、法律の条文だけでなく、より具体的な事例や注意点を含めて解説します。

1. 侵入罪の種類と公訴時効

まず、侵入罪と一口に言っても、いくつかの種類があります。代表的なものとしては、住居侵入罪(刑法第130条)と建造物侵入罪(刑法第130条)です。どちらも正当な理由なく、人の住居や管理する建物に侵入した場合に成立します。

ご質問にもあるように、住居侵入罪の公訴時効は3年です。これは、住居侵入罪の法定刑が3年以下の懲役または罰金であるため、刑事訴訟法第250条2項6号によって定められています。建造物侵入罪も同様に、法定刑が住居侵入罪と同じであるため、公訴時効は3年となります。

2. 公訴時効の起算点

公訴時効の起算点(いつから時効期間がカウントされるか)は、犯罪行為が終わった時点です。つまり、侵入行為が完了した時点から3年が経過すると、原則として起訴されることはありません。

例えば、2023年10月27日に住居侵入をした場合、2026年10月27日をもって公訴時効が成立します。

3. 公訴時効の停止

しかし、公訴時効は常にスムーズに進行するとは限りません。刑事訴訟法には、公訴時効の進行が一時的に停止する「停止」という制度があります。具体的には、以下のような場合に時効の進行が停止します。

  • 被告人が国外に逃亡している場合: 海外に逃亡している間は、捜査機関が逮捕・起訴することが困難なため、時効の進行が停止します。
  • 被告人が逃げ隠れているため、起訴状の謄本の送達や略式命令の告知ができない場合: 所在不明で、書類の送達ができない場合も同様に時効が停止します。
  • 共犯者が起訴された場合: 共犯者が起訴された場合、その判決が確定するまでの間、他の共犯者の時効の進行が停止します。

これらの事由が発生した場合、時効期間は停止し、事由が解消された時点から再びカウントが開始されます。

4. 逮捕後の流れと弁護士の役割

もし、住居侵入罪で逮捕されてしまった場合、まずは警察による取り調べが行われます。その後、検察に送致され、検察官が起訴するかどうかを判断します。

この段階で重要なのは、弁護士に相談することです。弁護士は、以下のようなサポートを提供してくれます。

  • 取り調べへのアドバイス: 不利な供述をしないように、取り調べでの対応方法をアドバイスします。
  • 示談交渉: 被害者との間で示談交渉を行い、被害弁償や謝罪を通じて、不起訴処分や刑の軽減を目指します。
  • 弁護活動: 起訴された場合、裁判において、被告人の弁護活動を行います。

5. 安易な気持ちでの侵入は厳禁

「ちょっとした好奇心」「道に迷っただけ」など、安易な気持ちで他人の敷地や建物に立ち入ることは絶対にやめましょう。たとえ悪意がなかったとしても、住居侵入罪として処罰される可能性があります。

また、公訴時効があるからといって、罪を犯しても良いというわけではありません。反省すべき点はしっかりと反省し、二度と犯罪行為に手を染めないように心がけましょう。

まとめ

侵入罪の公訴時効は3年ですが、時効の停止など、複雑な要素も絡んできます。もし、侵入行為をしてしまった場合は、早めに弁護士に相談し、適切な対応をとることが重要です。そして、最も大切なことは、軽い気持ちで他人の権利を侵害するような行為をしないことです。