個人再生で禁止されていることは何ですか?

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個人再生では、虚偽の申告や再生計画への不履行、積み立ての怠慢、計画案の期限切れ、特定債権者への優先返済、新規借入、手続き費用滞納、浪費行為などが厳禁です。これらの行為は再生手続きの不許可や取り消しにつながるため、厳守が必要です。

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個人再生、絶対にやってはいけないこと:崖っぷちからの生還を阻む落とし穴

個人再生は、多重債務に苦しむ人々が、裁判所の力を借りて生活を立て直すための制度です。しかし、その過程は決して容易ではなく、法律で定められたルールを厳守する必要があります。まるで崖っぷちの道を歩むように、一歩間違えれば奈落の底に突き落とされる可能性すらあるのです。ここでは、個人再生において絶対にやってはいけない、特に重要な事項を掘り下げて解説します。

1. 嘘は破滅への第一歩:虚偽申告の代償

個人再生の手続きでは、自身の収入、財産、負債状況を正確に申告しなければなりません。これは、再生計画の実現可能性を判断する上で、裁判所が最も重視する要素の一つだからです。少しでも有利に見せようと嘘をついたり、一部の財産を隠蔽したりすれば、虚偽申告とみなされ、再生計画の認可が下りないだけでなく、最悪の場合、詐欺罪に問われる可能性もあります。正直に、全てをさらけ出す勇気が、再生への第一歩となるのです。

2. 絵に描いた餅では意味がない:再生計画の不履行

苦労して認可された再生計画も、実行に移せなければ意味がありません。毎月の返済を滞りなく行うことは、個人再生における最重要事項と言えるでしょう。一度でも滞納すれば、再生計画は取り消され、元の借金が復活するだけでなく、信用情報にも大きな傷がつくことになります。計画を立てる段階で、無理のない返済額を設定し、日々の生活の中で節約を心がけることが重要です。

3. コツコツ貯める、着実に返済:積立の重要性

個人再生の手続きでは、裁判所が指定する期間、毎月一定額を積み立てることを求められる場合があります。これは、返済能力を試すためのものであり、同時に、再生計画実行への準備期間でもあります。積立を怠れば、再生計画の認可が遅れたり、最悪の場合は不許可になったりする可能性があります。日頃から無駄遣いを避け、確実に積み立てられるように家計管理を徹底しましょう。

4. 時間との戦い:計画案提出の遅延

個人再生の手続きには、様々な期限が設けられています。特に重要なのが、再生計画案の提出期限です。この期限を過ぎてしまうと、手続き自体が打ち切られてしまう可能性があります。弁護士や司法書士と連携し、余裕を持って計画案を作成し、期限内に提出するように心がけましょう。

5. 特定の誰かを特別扱いしない:偏頗弁済の禁止

特定の債権者に対してのみ優先的に返済を行うこと(偏頗弁済)は、個人再生では厳禁されています。これは、債権者間の公平性を保つためのルールです。もし偏頗弁済を行った場合、再生計画の認可が下りなかったり、既に認可された計画が取り消されたりする可能性があります。全ての債権者を平等に扱うことが、再生への道を守ることに繋がります。

6. 安易な借り入れは禁物:新規借入のリスク

個人再生の手続き中、あるいは再生計画の実行中に、新たな借金をすることは極力避けるべきです。新たな借金は、返済計画を狂わせるだけでなく、再生手続き自体に悪影響を及ぼす可能性があります。どうしてもお金が必要な場合は、家族や親族に相談したり、生活福祉資金貸付制度などを利用したりすることを検討しましょう。

7. 手続き費用はきちんと支払いましょう:費用滞納の影響

個人再生の手続きには、弁護士費用や裁判所費用など、様々な費用がかかります。これらの費用を滞納した場合、手続きが遅延したり、中断されたりする可能性があります。事前に費用についてしっかりと確認し、計画的に準備しておくことが重要です。

8. 浪費は禁物:生活態度の見直し

個人再生は、単に借金を減らすための制度ではありません。生活習慣を見直し、健全な経済状況を築くための機会でもあるのです。ギャンブルや過度な飲酒など、浪費癖がある場合は、これを機に改善するように努めましょう。裁判所は、再生計画の認可にあたり、申立人の生活態度も考慮に入れます。

個人再生は、困難な状況を打開するための有効な手段ですが、その成功は、ルールを遵守し、誠実な態度で手続きに臨む姿勢にかかっています。上記の注意点をしっかりと理解し、弁護士や司法書士と協力しながら、再出発を目指しましょう。