年金手帳を会社に提出しても返してもらえないのですが、どうしたらよいですか？

会社が年金手帳を返却してくれない、という深刻な事態に直面されているとのこと、大変お困りのことと思います。年金手帳は、老後の生活を支える上で非常に重要な書類であり、その紛失や不正利用は大きな損害につながります。会社が正当な理由なく年金手帳を返却しないことは、労働者の権利を侵害する行為にあたる可能性もあります。

まず、落ち着いて状況を整理しましょう。会社に年金手帳を提出した経緯、いつ提出したのか、誰に提出したのか、その際に何か書類に署名・捺印したかなどを、可能な限り詳細に記録してください。提出時の状況を具体的に思い出せるように、メモや記録を残しておくことが重要です。

次に、具体的な対応策を考えてみましょう。

1. 担当部署への再三の確認と文書による請求: まずは、年金手帳を預かった部署に直接連絡し、返却を丁寧に依頼しましょう。電話だけでなく、内容証明郵便で返却を正式に請求することも有効です。内容証明郵便を使用することで、会社側にも責任ある対応を促すことができます。文書には、年金手帳の提出日、提出者、提出場所、そして返却を求める旨を明確に記載しましょう。また、いつまでに返却してほしいかの期限も設定すると良いでしょう。 例：「〇〇年〇月〇日提出の年金手帳の返却を、〇〇年〇月〇日までに希望します。期限までに返却がない場合は、法的措置も検討せざるを得ません。」といった文言を含めることが考えられます。

2. 上司への相談: 担当部署への連絡だけでは効果がない場合は、上司や人事部といったより上位の部署に相談してみましょう。会社内部での解決を目指し、より高位の立場の人に状況を説明し、協力を求めるのです。 この際、既に担当部署へ連絡し、文書で請求した事実なども伝えましょう。

3. 年金事務所への相談: 会社内部での解決が難しい場合は、年金事務所に相談することが有効です。年金事務所は、年金制度に関する専門機関であり、会社との間を取り持ってくれる可能性があります。年金手帳の返却に関するトラブルは、彼らが対応すべき範囲に入るでしょう。相談する際には、上記で作成した記録や文書を提出することが重要です。

4. 総合労働相談コーナーへの相談: 会社が故意に年金手帳を返却しない、もしくはハラスメントのような要素が含まれる場合、総合労働相談コーナーに相談することを検討しましょう。彼らは労働問題の専門家であり、法的観点から適切なアドバイスをくれます。相談内容は秘密が守られますので、安心して相談できます。 相談の結果、弁護士への相談を勧められる可能性もあります。

5. 弁護士への相談: 上記の方法で解決しない場合、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、法的措置を含めた具体的な対応策を提案し、会社に対して法的請求を行うことも可能です。弁護士費用は発生しますが、年金手帳の返却という重要な権利を守るため、必要な費用と考えるべきです。

年金手帳はあなたの権利に関わる重要な書類です。会社が正当な理由なく返却を拒否することは許されません。冷静に対処し、段階的に対応を進めていくことで、必ず解決できるはずです。諦めずに、適切な機関に相談し、あなたの権利を守ってください。 大切なのは、記録を残し、証拠を確保することです。 焦らず、一つずつ問題解決に向けて進んでいきましょう。