救急車で搬送される場合、家族は同乗が必要ですか？

救急車搬送、家族は同乗すべき？ 状況別で考えるメリット・デメリットと注意点

救急車を呼ぶような緊急事態、大切な家族が突然倒れたり、激しい痛みを訴えたりしたら、誰でも気が動転してしまうものです。一刻も早く病院へ連れて行きたい、付き添ってあげたいと思うのは当然でしょう。しかし、救急車に家族が同乗できるのか、同乗すべきなのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、救急車への家族の同乗は必須ではありません。しかし、状況によっては同乗が推奨される場合もあります。この記事では、家族の同乗が必要かどうか、メリット・デメリット、注意点などを詳しく解説し、判断の材料を提供します。

同乗が推奨される場合

• 患者が幼児や高齢者の場合: 幼児や高齢者は、環境の変化や急な出来事に強い不安を感じやすいものです。慣れ親しんだ家族がそばにいることで、安心感を与え、精神的な負担を軽減することができます。特に、症状や既往歴などを医療従事者に伝えるのが難しい場合、家族の同乗は非常に重要です。
• 患者が意識障害がある場合: 患者が意識を失っている、または意識が朦朧としている場合は、病状の説明や治療方針の決定に家族の協力が不可欠です。アレルギーの有無、服用中の薬、過去の病歴など、医療従事者が迅速に適切な処置を行うために必要な情報を提供できるのは、多くの場合、家族だけです。
• 搬送時間が長い場合: 長時間の搬送中、患者は不安や孤独を感じることがあります。家族がそばにいることで、精神的なサポートを提供し、患者の不安を和らげることができます。また、容体の変化にいち早く気づき、救急隊員に伝えることも可能です。

同乗が難しい、あるいは控えた方が良い場合

• 救急車内が狭い場合: 救急車内は医療機器や隊員で一杯になっていることが多く、スペースが限られています。同乗者がいることで、救急隊員の活動が制限され、救命処置に支障が出る可能性があります。
• 感染症の疑いがある場合: 感染症の疑いがある場合、同乗者への感染リスクを考慮し、同乗を制限されることがあります。患者の安全を守るためにも、医療従事者の指示に従うことが重要です。
• 同乗者自身の体調が悪い場合: 同乗者自身が体調不良やパニック状態にある場合、かえって救急隊員の負担を増やす可能性があります。落ち着いて患者のサポートができる状態でなければ、同乗は控えるべきです。

同乗する際の注意点

• 救急隊員の指示に従う: 救急車内では、救急隊員の指示に必ず従ってください。医療行為の妨げにならないよう、静かに座り、不要な会話や行動は控えましょう。
• 患者の容体の変化に注意する: 患者の容体に変化が見られた場合は、すぐに救急隊員に伝えましょう。些細な変化でも、重要な情報となる可能性があります。
• 必要な持ち物を準備する: 健康保険証、診察券、服用中の薬など、病院で必要な持ち物を準備しておきましょう。ただし、持ち込み可能な荷物には制限がある場合があるので、救急隊員の指示に従ってください。

まとめ

救急車への家族の同乗は、状況によって判断する必要があります。患者の状態、搬送時間、救急車内の状況などを考慮し、救急隊員と相談の上で決定しましょう。同乗することで、患者に安心感を与え、医療チームのサポートができる一方で、救急活動の妨げになる可能性もあることを理解しておくことが重要です。 大切なのは、患者の安全と適切な医療を確保することです。冷静に状況を判断し、最善の行動を選びましょう。