法定外路面表示とは何ですか?

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法定外路面表示は、道路標識・区画線・路面標示に関する命令の対象外となる、交通安全・円滑化、規制の実効性向上を目的とした路面表示やカラー舗装、看板のことです。警察庁の設置指針は廃止されましたが、交通安全を促進する重要な役割を担っています。具体例は様々で、状況に応じた柔軟な設置が可能です。
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法定外路面表示:柔軟な交通安全対策の要

日本の道路を走っていると、白線や矢印といった一般的な道路標識・区画線・路面標示以外にも、様々な路面表示を見かけることがあります。これらの中には、道路交通法や関連省令で定められた「法定」の表示ではなく、「法定外路面表示」と呼ばれるものがあります。 法定外路面表示とは、文字通り、法令でその設置が義務付けられているわけではない、いわば「自主的な」路面表示です。しかし、その役割は決して小さくありません。交通安全の向上、交通の円滑化、そして既存の規制のより効果的な運用に大きく貢献しているのです。

従来、法定外路面表示の設置は、警察庁が示していた指針を参考に各地方自治体が行っていました。その指針は既に廃止されていますが、その精神は、現在も各地で交通安全対策として活用されています。法令に縛られない自由度が、法定外路面表示の大きな特徴であり、強みです。状況に応じて柔軟に対応できるため、画一的な法定表示ではカバーしきれない様々なニーズに対応可能なのです。

具体的にどのようなものが法定外路路面表示に該当するのでしょうか。代表的な例としては、以下のものが挙げられます。

  • 一時停止を促すための路面表示: 交差点や横断歩道などに、白線や矢印とは別に、文字や図柄で一時停止を促す表示を行う場合があります。法定の停止線よりも視認性を高め、ドライバーの注意喚起を促す効果が期待できます。特に、見通しの悪い交差点や、事故多発地点などに効果を発揮します。

  • 歩行者注意喚起のためのカラー舗装: 学校周辺や高齢者が多い地域などでは、歩行者の安全確保のため、横断歩道付近を赤や黄色などに彩色したカラー舗装が施されていることがあります。視覚的な効果により、ドライバーの注意を引きつけ、歩行者の存在をより明確に認識させます。

  • 自転車通行帯の案内表示: 自転車専用通行帯や推奨通行帯を示すために、路面に専用の表示を行うこともあります。特に、車道と自転車道の境界が曖昧な箇所では、ドライバーと自転車利用者の双方にとって安全な通行を確保する上で有効な手段です。

  • 速度抑制を促すための路面表示: 速度超過が多い場所では、路面に視覚的な効果を与えることで、ドライバーに減速を促す路面表示が利用されます。例えば、一定間隔でラインを配置したり、減速帯を設けたりする手法があります。

  • 誘導標識としての路面表示: 複雑な交差点や駐車場などで、ドライバーをスムーズに誘導するための矢印や文字を路面に表示します。これにより、渋滞の緩和や事故防止に繋がります。

これらの例に見られるように、法定外路面表示は、画一的でなく、柔軟な対応が求められる交通安全対策に最適です。設置場所や目的、周囲の状況などを総合的に判断し、最適なデザインや配置を選択することで、より効果的な交通安全対策を実現することが可能です。 今後も、交通状況の変化や新たな課題への対応において、法定外路面表示は重要な役割を担い続けるでしょう。その柔軟性と視覚的な訴求力は、交通安全を確保し、より安全で快適な道路環境を作る上で欠かせない要素となっているのです。 ただし、設置にあたっては、視認性や安全性などを十分に考慮し、適切な計画と管理が必要です。