自宅で亡くなると警察が来るのはなぜ?

0 ビュー

自宅で死亡が確認されると、警察は事件性がないかを確認するため、検視官と共に現場検証を行います。これは、自殺、他殺、病死に関わらず、死亡場所が自宅である限り必ず行われます。病院外での死亡は、警察による検視が義務付けられているためです。 死因究明と事件性の有無の確認が主な目的です。

コメント 0 好き

なぜ自宅で人が亡くなると警察が来るのか?~知っておきたい理由と流れ~

自宅で大切な人が亡くなるというのは、想像を絶する悲しみと混乱に包まれる出来事です。そんな中、警察が自宅に到着することに、戸惑いや不安を感じる方も少なくないでしょう。「事件ではないのに、なぜ警察が来るのか?」という疑問はもっともです。

結論から言うと、自宅で死亡が確認された場合、警察が臨場するのは、事件性の有無を判断し、死因を特定するために法律で定められた手続きだからです。これは、病死、老衰、事故死、自殺、他殺、いずれの場合にも当てはまります。病院で医師の管理下で亡くなった場合とは異なり、自宅での死亡は「異状死」として扱われ、警察による検視が義務付けられているのです。

では、具体的にどのような理由で、どのようなことを行うのでしょうか?

1. 死因究明と事件性の排除:

警察の最も重要な役割は、死因を特定し、事件性がないことを確認することです。具体的には、以下の点に注目して現場検証が行われます。

  • 外傷の有無: 体に不自然な傷跡や、争った形跡がないかを確認します。
  • 薬物や毒物の摂取の可能性: 周囲に薬物や毒物がないか、また、服用していた薬の種類や量などを確認します。
  • 状況証拠の確認: 遺体の状況、部屋の状態、遺書やメモの有無などを総合的に判断します。
  • 関係者への聞き取り: 同居人や家族、知人などから、亡くなった人の状況や最近の様子、病歴などを聞き取ります。

これらの情報を基に、警察は事件性がないか、自殺の可能性がないかなどを慎重に判断します。もし、事件性や自殺の疑いがある場合は、捜査が開始されることになります。

2. 検視の実施:

警察官は、死亡状況を詳しく調べ、検視官(医師の資格を持つ警察官)が遺体を外観から詳しく観察する「検視」を行います。検視の結果、死因が特定できない場合や、事件性の疑いが残る場合は、解剖が行われることもあります。解剖は、法医学的な専門知識を持つ医師によって行われ、死因を特定するための重要な手段となります。

3. 死亡診断書(死体検案書)の作成:

検視の結果、死因が特定され、事件性がないと判断された場合、医師(検視官)によって死亡診断書(または死体検案書)が作成されます。この死亡診断書(死体検案書)は、死亡届を提出する際に必要となる重要な書類です。

自宅で人が亡くなった場合、遺族はまず何をすべきか?

  1. まずは落ち着いて、警察(110番)または救急(119番)に連絡しましょう。 状況を正確に伝え、指示に従ってください。
  2. 故人の尊厳を尊重し、発見時の状態をできる限り保ってください。 安易に遺体を動かしたり、周囲の物を片付けたりしないようにしましょう。
  3. 警察や検視官の質問には、正直に答えてください。 協力的な姿勢を示すことが、スムーズな手続きにつながります。

自宅で人が亡くなるということは、非常に辛く、混乱する出来事です。しかし、警察の臨場は、決して遺族を疑っているわけではなく、法律で定められた手続きであり、故人の尊厳を守り、真相を明らかにするための重要な行為であることを理解しておく必要があります。

もし、自宅での死亡について不安や疑問がある場合は、警察、医師、または弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。