自転車を押して歩くと歩行者扱いになる？

自転車を押して歩いているとき、あなたは歩行者として扱われるのでしょうか？ これは一見単純な質問のようですが、実は自転車の種類や状況によって、その扱いは大きく変わってきます。法律上の解釈や安全上の観点から、この疑問を詳しく見ていきましょう。

まず、重要なのは「一般的な自転車」の定義です。道路交通法では、具体的な定義は示されていませんが、一般的に二輪の自転車、もしくは三輪の幼児用自転車などを指します。これらの一般的な自転車を、あなたが自ら推進力を与えずに押して歩いている場合、あなたは歩行者として扱われます。これは、道路交通法における歩行者の定義、「人（車いす使用者、幼児車を押す者等を含む）が徒歩によって移動している状態」に合致するからです。そのため、歩道を通行することが許され、車道を通行する必要はありません。当然ながら、歩行者として通行する際には、歩行者のルールに従う必要があります。例えば、信号を守る、横断歩道を渡る、他歩行者への配慮などです。

しかし、ここで注意が必要なのは、「一般的な自転車」以外の自転車です。例えば、電動アシスト自転車、電動バイク、大型の自転車、あるいは改造された自転車などです。これらの自転車は、その構造や性能によっては、歩行者ではなく「軽車両」として扱われる可能性があります。軽車両とは、道路交通法で定義されるもので、原動機付自転車や小型特殊自動車など、比較的低速で走行する車両を指します。軽車両の場合、歩道を通行することは原則禁止され、車道を通行しなければなりません。電動アシスト自転車であっても、バッテリーの性能やアシストの強さによって、軽車両として扱われる場合があります。

さらに、状況によっても扱いは変わります。例えば、あなたが一般的な自転車を押していても、自転車が明らかに危険な状態である場合（例えば、ブレーキが壊れている、タイヤがパンクしているなど）、歩行者として扱われたとしても、安全を確保するために車道を通行する必要があるかもしれません。この判断は、状況に応じて、警察官などの指示に従うことが重要です。

また、自転車を押して歩いている際に、道路状況に合わせて柔軟に対応する必要があることも忘れてはいけません。例えば、歩道が狭く、通行に支障をきたす場合は、車道を通行する方が安全な場合もあります。ただし、車道を通行する際は、周囲の車両に十分注意し、安全を確認してから通行しましょう。

結論として、自転車を押して歩く場合の扱いは、自転車の種類と状況によって大きく異なります。一般的な自転車を普通に押して歩いている場合は歩行者として扱われますが、電動アシスト自転車など、あるいは自転車の状況によっては、軽車両として扱われたり、安全上の理由から車道通行が必要となる場合もあります。常に周囲の状況を把握し、安全を第一に考え、適切な通行方法を選ぶことが大切です。曖昧な場合は、警察署などに問い合わせて確認するのも良い方法でしょう。曖昧なまま通行することで、事故につながる可能性も高まりますので、安全な通行を心がけましょう。