顛末書と始末書ではどちらが処分になりますか?

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顛末書は報告書としての性質が強く、懲戒処分を受けることはありません。一方、始末書は懲戒処分につながる可能性があり、処分に関する証拠として使用されます。ただし、人事考課や職務異動に影響を与える可能性はあります。

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顛末書と始末書:処分に繋がるのはどっち?~意味、役割、そして責任の所在~

「顛末書」と「始末書」。どちらもミスやトラブルが発生した際に書く書類ですが、その意味合いや役割は大きく異なります。そして、どちらが処分に繋がるのか、その違いを明確に理解しておくことは、社会人として非常に重要です。

結論から言うと、始末書は処分に繋がる可能性がありますが、顛末書は基本的にありません。 しかし、その理由を理解するためには、それぞれの書類が持つ目的と意味を掘り下げる必要があります。

顛末書とは?

顛末書は、トラブルやミスが発生した際に、その経緯を詳細に報告するための書類です。「何が、いつ、どこで、どのように起こったのか」を客観的に記述することに重点が置かれます。原因の特定や再発防止策の検討材料として活用されることが多く、事実関係を正確に伝えることが求められます。

そのため、顛末書は「報告書」としての性質が強く、誰の責任を追及するものでも、謝罪を目的とするものでもありません。あくまで、事態の把握と分析のための資料という位置づけです。

始末書とは?

一方、始末書は、自身の過失や責任を認め、謝罪の意を表明するための書類です。「自分の何が悪かったのか」「なぜそのような事態を引き起こしてしまったのか」「今後はどのように改善していくのか」を明確に記述する必要があります。

始末書は、会社や上司に対して「反省の意」を示すとともに、「再発防止への誓い」を表明するものです。そのため、顛末書とは異なり、自身の責任を明確に認める内容となります。

処分に繋がるかどうかの違い

この違いが、処分に繋がるかどうかの大きな分かれ目となります。顛末書は、あくまで事実関係の報告であり、責任の所在を明確にするものではありません。そのため、基本的に懲戒処分に繋がることはありません。

しかし、始末書は、自身の過失を認め、謝罪するものです。つまり、会社側は始末書を「問題を起こした証拠」として捉えることができます。そのため、始末書の内容によっては、減給、出勤停止、最悪の場合は懲戒解雇といった処分に繋がる可能性もあるのです。

注意すべき点

ただし、顛末書を提出した場合でも、全く影響がないとは言い切れません。あまりにも杜撰な内容であったり、虚偽の報告をしたりすると、結果的に人事考課や職務異動に影響を与える可能性はあります。また、同じようなミスを何度も繰り返す場合も、注意が必要です。

まとめ

  • 顛末書: 事実関係の報告が目的。処分に繋がる可能性は低い。
  • 始末書: 自身の過失を認め、謝罪することが目的。処分に繋がる可能性が高い。

重要なのは、それぞれの書類が持つ意味合いを理解し、状況に応じて適切な書類を作成することです。ミスやトラブルが発生した際には、まずは上司に相談し、適切な指示を仰ぐようにしましょう。そして、それぞれの書類を作成する際には、事実を正確に記述し、誠意をもって対応することが、その後の評価を左右する重要な要素となります。