E2ビザの受給条件は?

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E-2ビザは日本企業が米国に投資した場合、投資を運用する駐在員が取得できるビザです。10万ドル以上の投資と株式の50%以上保有が条件。また、幹部、管理職、または専門知識を持つ人に限られます。

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E-2ビザ:日本企業と駐在員の米国進出を支える投資家ビザの現実

E-2ビザは、条約に基づく投資家ビザとして、日本を含む多くの国籍の国民が、米国における事業への「相当な」投資を通じて、米国で働くことを可能にするビザです。 しかしながら、単純に「10万ドル以上の投資」と「株式の50%以上保有」という概要だけでは、その取得の難しさや複雑さを理解することはできません。 本記事では、E-2ビザ取得条件を詳細に解説し、申請における落とし穴や成功への道筋を提示します。

まず、最も重要な点は「相当な投資」の定義の曖昧性です。 10万ドルという金額はあくまで目安であり、投資額の多寡だけで判断されるわけではないのです。 重要なのは、その投資が事業の運営に真に「相当」であり、企業の存続と発展に不可欠なものであるか、という点です。 例えば、100万ドルの投資であっても、低収益の事業に投資した場合、ビザ取得は困難となるでしょう。 審査官は、投資額だけでなく、以下の要素を総合的に判断します。

  • 投資額の規模と事業規模の整合性: 事業規模に見合った適切な投資額であるか。小規模事業に過剰な投資、あるいは大規模事業に不当に少ない投資は、審査に悪影響を与えます。
  • 投資資金の出所: 資金の出所が明確で、合法的なものであることが証明されなければなりません。不正な資金や脱税資金による投資は、ビザ申請を拒否される大きな原因となります。 徹底した資金源の追跡可能性が求められます。
  • 事業計画の現実性: 具体的な事業計画が提示され、その実現可能性が高く、雇用創出や経済効果への貢献が期待できる必要があります。 単なる思いつきや非現実的な計画では、審査に通る可能性は極めて低いです。 市場調査、競合他社分析、詳細な財務予測など、綿密な計画の立案が必須となります。
  • 経営管理能力: 申請者は、事業を運営し、管理する能力を有していることを証明しなければなりません。 過去の経営経験、専門知識、教育背景などが重要な要素となります。 単なる資金提供者ではなく、事業運営に積極的に関与する意思と能力が求められます。
  • 雇用創出の可能性: E-2ビザは、米国経済への貢献を重視します。 申請事業が米国の労働市場に貢献し、雇用創出につながることが期待されます。 具体的な雇用計画を示すことが重要です。

そして、株式の50%以上保有という条件も、厳格に解釈される場合があります。 単なる株式保有だけでなく、経営への実質的な支配力と関与が求められます。 名目上の保有であっても、実質的に経営に関与できない場合は、ビザ取得が困難となる可能性があります。

さらに、幹部、管理職、または専門知識を持つ人材であることも重要な条件です。 単なる労働者として働くことは認められません。 申請者は、自身の専門知識や経験を活かし、事業運営に不可欠な役割を担う必要があります。 職務経歴書や推薦状など、自身の能力を証明する証拠をしっかりと準備する必要があります。

E-2ビザの取得は、高度な専門知識と綿密な準備を必要とする、複雑な手続きです。 単なる投資額や株式保有率だけでなく、事業計画の現実性、経営管理能力、雇用創出の可能性など、様々な要素が総合的に評価されます。 専門家の助言を得ながら、申請準備を進めることが、成功への重要な鍵となるでしょう。 安易な挑戦ではなく、慎重な計画と準備によって、米国進出の夢を実現できる可能性を高めましょう。