さつまあげの本場はどこですか？

さつま揚げの聖地を巡る旅：鹿児島・串木野が本場と呼ばれる理由

薩摩揚げ、または「つけあげ」とも呼ばれるこの郷土料理は、その名の通り鹿児島県を代表する味として全国に知られています。しかし、鹿児島県内でも特に「本場」と称される地域があるのをご存知でしょうか？ その答えは、鹿児島県いちき串木野市です。

串木野市は、東シナ海に面した漁業の町。温暖な気候と豊かな漁場に恵まれ、古くから新鮮な魚介類が豊富に水揚げされてきました。薩摩揚げは、その豊富な魚介類を無駄なく利用しようと生まれた知恵の結晶とも言えるでしょう。

では、なぜ串木野が特に「本場」と呼ばれるのでしょうか？ その理由は、単に魚介類が豊富というだけではありません。

1. 独自の製法と伝統の継承:

串木野には、代々受け継がれてきた独自の製法を持つ薩摩揚げ店が数多く存在します。それぞれの店が、使用する魚の種類、配合、揚げ油、さらには微妙な温度調整に至るまで、長年の経験と工夫を凝らした独自の製法を守り続けています。そのため、一口に薩摩揚げと言っても、店ごとに異なる個性豊かな味わいを楽しむことができるのです。

2. 厳選された素材へのこだわり:

串木野の薩摩揚げは、地元で水揚げされた新鮮な魚介類を主に、地元の豆腐や野菜など、厳選された素材を使用しています。これらの素材の鮮度と質が、薩摩揚げの風味を大きく左右するため、妥協のない素材選びが行われています。特に、串木野沖で獲れるエソやハモなどは、薩摩揚げに独特の旨味と風味を与える重要な要素となっています。

3. 薩摩揚げ文化の根付き:

串木野では、薩摩揚げは単なる食品としてだけでなく、地域の文化として深く根付いています。お祭りやイベントはもちろん、日常の食卓にも欠かせない存在であり、地域の人々の生活に寄り添ってきました。そのため、薩摩揚げ作りは、地域の人々にとって誇りであり、伝統を守り継承していくという強い意識があります。

串木野で味わう、本場の薩摩揚げ体験:

串木野を訪れるなら、ぜひ地元の薩摩揚げ店を巡り、様々な味を試してみてください。揚げたて熱々の薩摩揚げを、そのまま味わうのも良し、焼酎と一緒に楽しむのも良し。お土産として持ち帰れば、旅の思い出をいつまでも味わうことができます。

串木野の薩摩揚げは、その歴史と伝統、そして職人たちの情熱が詰まった、まさに「本場」ならではの逸品です。ぜひ一度、その奥深い味わいを体験しに、串木野を訪れてみてください。きっと、薩摩揚げの新たな魅力を発見できるはずです。