さつま揚げは北海道では何と呼ばれていますか？

北海道民は「さつま揚げ」をなんと呼ぶ？ 天ぷらとの意外な関係

北海道で「さつま揚げ」を注文しようとすると、ちょっと戸惑うかもしれません。なぜなら、北海道では一般的に「さつま揚げ」のことを「天ぷら」と呼ぶからです。

「え？天ぷらって、エビとかナスを揚げたあの天ぷらじゃないの？」と疑問に思う方もいるでしょう。確かに、一般的なイメージの天ぷらとは異なります。北海道で「天ぷら」と呼ばれるのは、魚のすり身を揚げた、いわゆる「さつま揚げ」のことなのです。

この呼び方の違いは、日本全国で見ても面白い傾向があります。ある調査によると、西日本では「天ぷら」と呼ぶ地域が多く、東日本では「さつま揚げ」と呼ぶ地域が多いようです。鹿児島県では「つけ揚げ」、中部地方の一部では「はんぺん」と呼ばれることもあります。

なぜ、このような地域差が生まれたのでしょうか？

その理由として考えられるのは、食文化の歴史的な背景です。

• 天ぷらのルーツ: 天ぷらは、もともとポルトガルから伝わった料理が日本で独自に発展したものです。江戸時代には、屋台などで手軽に食べられる料理として広まりました。この過程で、魚介類だけでなく、野菜や練り物など、様々な食材を揚げたものが「天ぷら」と呼ばれるようになりました。
• 地域による食材の違い: 北海道では、豊かな漁場で獲れる新鮮な魚介類をすり身にして揚げたものが、「天ぷら」として親しまれてきました。一方、他の地域では、別の食材を使った天ぷらが主流だったり、「さつま揚げ」という独自の名称が定着したりしたと考えられます。
• 言葉の伝播: 地域によって言葉の伝わり方や解釈が異なることも、呼び方の違いを生む要因の一つです。

つまり、北海道における「天ぷら」は、「魚のすり身を揚げたもの」という広い意味合いを持っていると言えるでしょう。

北海道を訪れた際は、ぜひ「天ぷら」を注文してみてください。運ばれてきたものが「さつま揚げ」であることに驚きつつ、北海道の食文化の奥深さを感じられるかもしれません。そして、この地域ならではの呼び名が、その土地の歴史や文化を物語っていることを思い出してみてください。旅が、より一層豊かなものになるはずです。