サコッシュはいつから流行り始めたのですか?

1 ビュー

サコッシュ人気が急上昇したのは2018年。シンプルなデザインと軽量さが受け、現在も幅広い層で愛用される定番バッグとして定着しています。

コメント 0 好き

サコッシュ:自転車レースからストリートへ、その流行の軌跡

サコッシュ人気が急上昇したのは2018年と言われますが、その歴史はもっと古く、自転車レースの世界にルーツがあります。そもそも「サコッシュ」とはフランス語で「袋」や「鞄」を意味する言葉。ロードレースで選手に補給食やドリンクを渡す際に使われていた小さな肩掛けバッグがその起源です。軽くて邪魔にならず、必要なものを手軽に持ち運べる機能性が、過酷なレース環境で重宝されました。

1980年代頃から、フランスを中心としたヨーロッパの自転車愛好家の間で、この機能的なバッグが日常使いされるように。シンプルなデザインと必要最低限の収納力、そして自転車に乗る際に邪魔にならない形状が、街乗りを楽しむサイクリストたちの間で徐々に広まっていきました。

日本では、2010年代初頭に一部の自転車愛好家やセレクトショップを通じて紹介され始めます。しかし、この時点ではまだニッチなアイテムであり、一般的にはあまり知られていませんでした。

転機となったのは2017年頃から。フェスやアウトドアブームの高まりとともに、手軽に持ち運べるバッグの需要が増加。そこに、ミニマリスト的な価値観や、身軽さを重視するライフスタイルの広がりも相まって、サコッシュは注目を集め始めます。

そして2018年、ついにサコッシュ人気が爆発。ファッション誌やメディアで取り上げられる機会が増え、様々なブランドから多種多様なデザインのサコッシュが発売されました。シンプルなナイロン素材のものから、レザーやキャンバス地を使ったもの、個性的なプリントが施されたものまで、そのバリエーションは豊富に。価格帯も手頃なものから高級なものまで幅広く、多くの消費者のニーズに応えました。

この流行の背景には、スマートフォンの普及も大きく影響しています。財布や鍵、スマートフォンといった必需品だけを持ち歩くスタイルが定着し、大きなバッグを持ち歩く必要性が薄れてきたのです。サコッシュはまさにこのニーズに合致した、時代の流れを捉えたバッグと言えるでしょう。

2019年以降も、サコッシュ人気は衰えることなく、定番バッグとしての地位を確立しています。素材やデザインのバリエーションもさらに広がり、機能性も進化。防水機能やリフレクター付きなど、より実用的なモデルも登場しています。

また、近年ではサステナビリティへの意識の高まりから、リサイクル素材を使用したサコッシュも注目を集めています。環境に配慮した素材選びや、長く使えるシンプルなデザインは、これからの時代にも求められる要素と言えるでしょう。

自転車レースのサポートアイテムから、ファッションアイテム、そしてサステナブルなアイテムへ。サコッシュはその姿を変えながら、時代とともに進化を続けています。そのシンプルなフォルムの中に、機能性と時代性を兼ね備えた魅力が、多くの人々を惹きつけてやまない理由と言えるのではないでしょうか。