タクシーで空車のまま乗車するとどうなる?

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タクシー業界用語の「煙突(えんとつ)」とは、乗客を乗せながら料金メーターを「空車」のままにして料金を不正に徴収する行為を指します。かつてのタクシーメーターは、空車を示すレバーを下げることで実車状態に切り替わりましたが、その空車レバーが立った状態を「煙突」に見立てて名付けられました。

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タクシーの「煙突乗車」:空車で乗せられたらどうなる? 知っておくべき対策と権利

タクシー業界で耳にする「煙突乗車」。これは、乗客を乗せているにもかかわらず、料金メーターを「空車」のままにして走行する不正行為を指します。古いタイプのタクシーメーターの空車を示すレバーが「煙突」のように見えたことに由来する隠語ですが、現代のデジタルメーターでも同様の行為は存在し、乗客にとって不利益をもたらします。

では、もし自分が「煙突乗車」に遭遇してしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

1. 気づいた時点ですぐに指摘する

まずは落ち着いて、運転手にメーターが「空車」になっていることを伝えましょう。「すみません、メーターが空車のままになっていますが…」など、冷静かつ丁寧に伝えることが重要です。悪質な運転手でなければ、すぐにメーターを実車に切り替えてくれるはずです。

2. 状況を記録する

もし運転手がメーターを切り替えようとしない、もしくは言い訳をするなど不審な動きを見せた場合は、可能な限り状況を記録しましょう。具体的には、以下の情報をメモしておくと役立ちます。

  • タクシーの車両番号(車体の横や後部に記載されています)
  • 乗車日時と場所
  • 運転手の名前(運転席に表示されています)
  • 走行ルート(覚えている範囲で)
  • メーターの状態(写真や動画を撮影できる場合は、証拠として残しておきましょう)

3. 支払いを拒否する、または必要最低限の料金のみ支払う

悪質な運転手が料金を不正に請求しようとする場合、全額支払いを拒否することができます。ただし、トラブルを避けるため、乗車した距離に応じた最低限の料金(例:初乗り料金)のみを支払うという方法もあります。

4. 関係機関に通報・相談する

煙突乗車に遭遇した場合、以下の機関に連絡して相談・通報することができます。

  • タクシー会社: まずは利用したタクシー会社に連絡し、状況を説明しましょう。会社によっては、乗務員の指導や返金などの対応をしてくれる場合があります。
  • 運輸局: タクシー事業を監督する機関です。不正行為の報告を受け付けており、必要に応じて調査を行います。
  • 消費者センター: 消費者問題に関する相談窓口です。煙突乗車についても、適切なアドバイスや解決策を教えてくれます。

5. 証拠を揃えて告訴することも検討

悪質なケースで、タクシー会社や運輸局の対応に納得がいかない場合は、証拠を揃えて警察に詐欺罪として告訴することも可能です。ただし、告訴には手間と時間がかかるため、弁護士に相談するなど慎重な検討が必要です。

煙突乗車を防ぐために

乗車時にメーターが実車になっているか確認することはもちろん、最近では配車アプリを利用するのも有効な手段です。配車アプリでは、あらかじめ料金が確定している場合や、走行ルートが記録されるため、不正行為を未然に防ぐことができます。

「煙突乗車」は、残念ながら一部のタクシー運転手による不正行為です。しかし、適切な知識と対策を持つことで、被害に遭うリスクを減らすことができます。もしもの事態に備えて、上記の情報を頭に入れておきましょう。