ビーガンの人は何を食べていませんか?

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ヴィーガンは、肉、魚介類、卵、乳製品といった動物由来の食品を一切摂取しません。さらに、動物性のゼラチンや蜂蜜も避ける傾向にあります。食品の製造過程にまで配慮し、精製過程で動物性の骨炭を使用する可能性がある上白糖を避けるヴィーガンも存在します。

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ヴィーガンが口にしないもの:食卓から消える動物由来のあれこれ、そして倫理と選択の背景

ヴィーニズム(Veganism)は、単なる食事制限ではなく、動物搾取をできる限り避ける生き方です。そのため、ヴィーガンの食卓から姿を消すものは、単に「肉・魚・卵・乳製品」といったわかりやすいものだけではありません。そこには、倫理的な配慮や、製造過程における動物利用への疑問といった、より深い理由が存在します。

基本中の基本:動物性食品全般

まず、当然ながら、ヴィーガンは以下の食品を一切摂取しません。

  • 肉類: 牛肉、豚肉、鶏肉はもちろん、鴨肉、羊肉、ジビエなど、あらゆる動物の肉が含まれます。加工肉であるソーセージ、ベーコン、ハムなども同様です。
  • 魚介類: 魚、エビ、カニ、貝類など、海や川に生息する動物全般を指します。出汁に使われる鰹節や煮干しも対象外です。
  • 卵: 鶏卵はもちろん、ウズラの卵など、あらゆる種類の卵がNGです。
  • 乳製品: 牛乳、チーズ、ヨーグルト、バター、生クリームなど、哺乳類から搾取される乳を原料とする食品はすべて避けます。

隠れたアニマルフリーの落とし穴:加工食品と添加物

上記以外にも、普段何気なく口にしている食品に、動物由来の成分が含まれている場合があります。

  • ゼラチン: コラーゲンを主成分とするゼラチンは、動物の骨や皮から作られます。ゼリー、グミ、マシュマロ、ヨーグルトなど、幅広い食品に使用されているため、注意が必要です。寒天やアガーなど、植物由来の代替品を選ぶ必要があります。
  • 蜂蜜: ミツバチが生成する蜂蜜も、動物性の食品とみなされるため、ヴィーガンは摂取しません。メープルシロップ、アガベシロップ、米飴など、植物由来の甘味料で代用します。
  • 乳化剤・安定剤: 食品の乳化や安定のために使用される添加物の中には、動物由来のものがあります。例えば、カゼインナトリウム(牛乳由来)などが挙げられます。
  • 着色料: コチニール色素(カルミン酸色素)は、中南米に生息するエンジムシという昆虫から抽出されます。赤色の着色料として、お菓子やジュースなどに使用されています。

さらに踏み込んだ選択:製造過程への配慮

一部のヴィーガンは、食品の製造過程における動物利用にも配慮しています。

  • 上白糖: 精製過程で、動物性の骨炭が脱色剤として使用される場合があります。そのため、上白糖を避け、未精製のきび砂糖や甜菜糖を選ぶヴィーガンもいます。
  • ワイン・ビール: 醸造過程で、動物性の清澄剤(ゼラチン、卵白など)が使用されることがあります。ヴィーガン認証を受けたワインやビールを選ぶことで、この問題を回避できます。

ヴィーガニズム:単なる食事制限ではない

ヴィーガンが口にしないものは、上記のように多岐にわたります。しかし、それは単なる「我慢」ではありません。動物搾取を減らし、より倫理的な生き方を選択するという信念に基づいた、積極的な意思表示なのです。ヴィーガンの選択肢は、今やスーパーマーケットやレストランでも増え続けており、誰もが無理なくヴィーガン食を取り入れられる時代になりつつあります。