南海トラフ 備蓄 何日分？

南海トラフ地震に備える：備蓄は本当に何日分必要？ ３日じゃ足りない？

南海トラフ巨大地震。その名は、日本列島に住む私たちにとって、常に頭の片隅に存在する脅威です。「備えあれば憂いなし」とはよく言ったもので、万一に備えて食料や日用品を備蓄しておくことは、生死を分ける重要な準備となります。しかし、従来言われてきた「3日分」の備蓄で本当に十分なのでしょうか？ 南海トラフ地震の規模と特性を考えると、その答えは残念ながら「NO」と言わざるを得ません。

政府や自治体は、災害発生直後の混乱を乗り切るための最低限の備えとして、3日分の備蓄を推奨しています。これは、救助活動が本格化するまでの期間を想定したものです。しかし、南海トラフ地震は、その広大な被害想定区域、津波による甚大な被害、そして交通網の寸断など、他の災害とは比較にならないほどの規模の災害となることが予測されています。

想像してみてください。広範囲に及ぶ道路の損壊、橋の崩落、鉄道の運行停止。物流は完全に麻痺し、救援物資の到着は大幅に遅延する可能性があります。孤立した地域では、数週間、あるいはそれ以上の期間、外部からの支援を受けられない事態も想定しなければなりません。3日分の備蓄では、この状況を乗り切ることは到底不可能です。

専門家の中には、南海トラフ地震のような巨大災害に備えるためには、最低でも1週間、できれば2週間分の備蓄が必要だと指摘する声も少なくありません。ライフラインの復旧には長期間を要する可能性があり、自力で生活を維持できるだけの備えが不可欠です。

では、具体的に何をどれくらい備蓄すれば良いのでしょうか？

1. 水： 1人1日3リットルを目安に、家族の人数と備蓄日数を掛けた量を確保しましょう。飲料水だけでなく、調理や衛生にも必要です。ローリングストックを忘れずに。

2. 食料： 普段食べ慣れているものを中心に、加熱調理を必要としないもの、栄養バランスの良いものを選びましょう。缶詰、レトルト食品、インスタント食品、乾麺、アルファ米、ビスケット、チョコレートなどがおすすめです。アレルギー対応の食品も忘れずに。

3. 衛生用品： トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、生理用品、マスク、消毒液、歯ブラシ、歯磨き粉など。感染症予防のためにも重要です。

4. その他の生活必需品： 懐中電灯、ラジオ、携帯電話の充電器、予備電池、現金、常備薬、救急セット、衣類、毛布、ライター、マッチ、ポリ袋、ヘルメットなど。状況に応じて必要なものをリストアップしましょう。

備蓄は、ただ量を確保すれば良いというものではありません。定期的に中身を確認し、賞味期限切れのものを交換するローリングストックが重要です。また、家族構成や生活環境に合わせて、必要なものをリスト化し、計画的に備蓄していくことが大切です。

南海トラフ地震は、必ず発生すると言われています。いつ来るかは分かりませんが、「備えあれば憂いなし」。今できることから始め、万が一の事態に備えましょう。自分と大切な家族の命を守るために、備蓄は決して軽視できるものではありません。 「3日分」という従来の考え方を改めて、より現実的な備えを検討する時期に来ているのではないでしょうか。