右折左折する時は必ず徐行ですか？

右折・左折時の徐行は必ず必要？安全運転のための交差点通過マニュアル

道路を走行する際、交差点での右折や左折は、事故の発生リスクが高い場面です。そのため、多くのドライバーが「右折・左折時は必ず徐行しなければならない」と考えているかもしれません。しかし、道路交通法はどのように規定しているのか、そして安全に交差点を通過するにはどうすれば良いのか、詳しく見ていきましょう。

結論から言えば、「交差点での右折・左折は必ず徐行しなければならない」という明確な規定は道路交通法にはありません。しかし、道路交通法第10条の「車両等の通行方法」において、「交差点に近づくときは、速度を落とすなど、安全を確保しなければならない」と定められています。この条文が、右折・左折時の徐行を間接的に求めていると言えるでしょう。

つまり、必ず「徐行」しなければならないという法的義務があるわけではなく、「安全を確保するための速度」を自ら判断し、必要に応じて速度を落とすことが求められているのです。これは、交差点の状況、交通量、歩行者、自転車の有無など、様々な要因によって変化します。

例えば、交通量の少ない閑静な住宅街の交差点であれば、完全停止までは必要なくとも、十分な減速で安全確認を行うことができれば問題ありません。しかし、交通量の多い交差点や見通しの悪い交差点では、一時停止をして周囲の状況を十分に確認し、完全に停止状態から発進する必要があるかもしれません。

また、路外への進入、例えば駐車場から道路へ出る場合も同様です。道路交通法では、路外から道路へ進入する際も、安全を確保する義務があります。これは、歩行者や自転車、対向車など、予測できない動きをする車両との衝突を避けるためです。

「徐行」という単語の解釈も重要です。単に速度を落とすだけではなく、周囲の状況を的確に把握し、予測不能な事態にも対応できるだけの余裕を持った速度で走行することが求められます。つまり、徐行とは「安全確認を十分に行い、必要に応じて停止できる状態を維持した走行」と言えます。

安全な交差点通過のためには、以下の点に注意しましょう。

• 交差点への接近前からの減速: 交差点に近づく前から速度を落とし、周囲の状況を把握するための時間を確保します。
• 十分な安全確認: 交差点の手前で一時停止し、左右だけでなく、斜め方向からの車両や歩行者にも注意を払います。死角にも気を配ることが重要です。
• 適切な合図: 右折・左折の意思を明確に示すため、ウインカーを適切に操作します。
• 歩行者への配慮: 歩行者の通行を優先し、安全に横断できるように配慮します。
• 他車への配慮: 他車両との距離を十分に確保し、急な割り込みや急ブレーキを避けましょう。

結局のところ、右折・左折時の速度は、状況に応じて判断する必要があります。法律は「安全確保」を義務付けていますが、その具体的な方法はドライバーの責任において決定されます。安全を第一に考え、常に周囲の状況を把握し、慎重に運転することが重要です。 「必ず徐行」というよりも、「安全を確保するための適切な速度を選択し、安全運転を心がける」ことが、ドライバーとしての責任と言えるでしょう。