寒い時にエンジンがかからない時の対処法は?

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寒い時期にエンジンがかかりにくい場合、セルモーターを3~5秒回して止める動作を数回繰り返すのが有効です。この操作でエンジンオイルが内部に行き渡り、始動を助ける効果が期待できます。バッテリー上がりを防ぐため、長時間の連続始動は避けましょう。

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寒い朝のエンジン始動難:その原因と、プロが教える確実な解決策

冬の寒い朝、愛車のエンジンがかからず、焦った経験はありませんか?「キュルキュル…」という空回り音だけが響き、出勤や通学に遅れてしまうのではないかと不安になる瞬間です。単にバッテリーが弱っているだけ、と安易に考えてしまいがちですが、実は様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。この記事では、寒い時期にエンジンがかかりにくい原因を徹底的に掘り下げ、インターネット上の情報だけでは得られない、より実践的な対処法をプロの視点から解説します。

エンジン始動困難の原因を特定する

まず、原因を特定することが重要です。よくある原因としては以下のものが挙げられます。

  • バッテリーの性能低下: 低温下ではバッテリーの化学反応が鈍くなり、性能が低下します。特に、寿命が近いバッテリーや、日頃から充電量が少ない状態のバッテリーは、始動に必要な電力を供給できなくなる可能性が高まります。
  • エンジンオイルの粘度上昇: 低温になるとエンジンオイルの粘度が増し、エンジン内部の抵抗が増加します。これにより、セルモーターがエンジンを回すのに必要な力が増大し、始動が困難になります。
  • 燃料供給の問題: 燃料ポンプの作動不良や、燃料フィルターの詰まりなどにより、エンジンに十分な燃料が供給されない場合があります。特に古い車や、長期間メンテナンスをしていない車では、燃料系統のトラブルが起こりやすくなります。
  • 点火系の問題: スパークプラグの劣化や、イグニッションコイルの故障などにより、正常な点火が行われない場合があります。これにより、燃料が燃焼せず、エンジンがかからなくなります。
  • センサー類の異常: 近年の車には、水温センサーや吸気温センサーなど、様々なセンサーが搭載されています。これらのセンサーが異常な値を検出すると、コンピューターが適切な燃料噴射量や点火時期を制御できなくなり、エンジンがかかりにくくなることがあります。

プロが教える確実な対処法

上記の原因を踏まえ、以下の対処法を試してみてください。

  1. バッテリーのメンテナンス: まずはバッテリーの電圧をチェックしましょう。カー用品店などで購入できるバッテリーチェッカーや、電圧計を使って確認できます。電圧が低い場合は、充電器で充電するか、バッテリー交換を検討しましょう。また、バッテリーターミナルの清掃も重要です。端子部分に白い粉(サルフェーション)が付着している場合は、ワイヤーブラシなどで丁寧に磨き落としてください。
  2. 暖気運転を工夫する: エンジンオイルの粘度を下げるために、エンジンをかける前にキーをONの位置にし、数秒間待ってからセルモーターを回す、という動作を数回繰り返すと効果的です。この動作で燃料ポンプが作動し、燃料がエンジン内部に送り込まれるとともに、エンジンオイルが循環しやすくなります。ただし、セルモーターを回しすぎるとバッテリー上がりにつながるので、5秒程度の短時間を心がけましょう。
  3. エンジンオイルの種類を見直す: 冬場は、低温でも粘度が上がりにくい低粘度のエンジンオイルを使用することをおすすめします。例えば、0W-20や5W-30などのオイルを使用することで、エンジン始動時の抵抗を軽減できます。
  4. 燃料添加剤の利用: 燃料添加剤の中には、燃料系統の洗浄効果や、燃焼効率を向上させる効果を持つものがあります。定期的に燃料添加剤を使用することで、燃料系統のトラブルを予防し、エンジン始動性を向上させることができます。
  5. 専門家への相談: 上記の対処法を試してもエンジンがかからない場合は、専門家(整備工場など)に相談することをおすすめします。専門家は、専用の診断ツールなどを用いて、より詳細な原因を特定し、適切な修理を行うことができます。

緊急時の対処法

どうしてもエンジンがかからない場合は、以下の緊急対処法を試してみてください。

  • ブースターケーブルの使用: 他の車のバッテリーから電力を供給してもらい、エンジンを始動する方法です。ただし、ブースターケーブルの接続方法を間違えると、車両の電子機器を損傷する可能性があるため、取扱説明書をよく読んでから慎重に行ってください。
  • ロードサービスへの連絡: JAFなどのロードサービスに連絡し、救援を要請する方法です。ロードサービスは、バッテリー上がりや、その他のトラブルに対応してくれます。

予防こそが最善策

寒い時期にエンジンがかからない、という事態を避けるためには、日頃からのメンテナンスが重要です。定期的なバッテリー点検や、エンジンオイル交換、燃料フィルターの交換などを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。冬本番を迎える前に、愛車のメンテナンスを行い、快適なカーライフを送りましょう。