帯状疱疹の痛みは受診したほうがいいですか？

帯状疱疹の痛み、放置してはいけないサイン – 早期受診のススメ

帯状疱疹の痛みは、経験した人にしかわからないほど辛いものだと聞きます。チクチク、ピリピリ、ズキズキ…表現は様々ですが、共通しているのは「耐え難い」という感覚でしょう。しかし、中には「少し痛むけど、市販薬で様子を見よう」「ただの神経痛だろう」と自己判断してしまう方もいるかもしれません。

結論から言うと、帯状疱疹の痛みが少しでも疑われる場合は、速やかに医療機関を受診することを強くお勧めします。 なぜなら、帯状疱疹は時間との勝負であり、早期治療こそが痛みからの解放、そして後遺症のリスクを最小限に抑える鍵となるからです。

なぜ早期受診が重要なのか？

1. 帯状疱疹の早期治療は、痛みの軽減に直結する： 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑制し、症状の悪化を防ぐ効果があります。しかし、抗ウイルス薬は発症から72時間以内に服用を開始することが推奨されています。この期間を過ぎると、効果が薄れてしまう可能性があるのです。早期に治療を開始することで、痛みのピークを抑え、治癒までの期間を短縮することが期待できます。

2. 帯状疱疹後神経痛（PHN）という慢性的な痛みを予防する： 最も恐ろしい合併症の一つが、帯状疱疹後神経痛です。これは、帯状疱疹の皮膚症状が治った後も、数ヶ月、あるいは数年単位で痛みが持続する状態を指します。その痛みは、日常生活に支障をきたすほど深刻なものであり、時にうつ病などの精神的な問題を引き起こすこともあります。早期に適切な治療を受けることで、この帯状疱疹後神経痛への移行リスクを下げることができます。

3. 他の合併症のリスクを低減する： 帯状疱疹は、目の周りに発症すると視力低下、顔面神経麻痺、 Ramsay Hunt症候群など、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。早期に適切な治療を受けることで、これらの合併症の発症リスクを低減することができます。

どんな痛みなら受診すべき？

帯状疱疹の痛みは、人によって感じ方が異なりますが、以下のような症状が見られる場合は、帯状疱疹の可能性を疑い、すぐに医療機関を受診しましょう。

• ピリピリ、チクチク、ズキズキとした痛み： 特に、体の左右どちらか一方に現れる場合や、過去に水ぼうそうにかかったことがある場合は要注意です。
• 皮膚の違和感や痒み： 痛みが出る前に、皮膚の違和感や痒みを感じることがあります。
• 赤い発疹や水ぶくれ： これらの症状が痛みと共に現れた場合は、帯状疱疹である可能性が非常に高いです。

どこを受診すればいい？

帯状疱疹が疑われる場合は、皮膚科を受診するのが一般的です。しかし、痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合は、ペインクリニックを受診することも検討しましょう。

最後に

帯状疱疹の痛みは、放置せずに早期に適切な治療を受けることが重要です。自己判断せずに、少しでも違和感を感じたら、迷わず医療機関を受診しましょう。早期受診が、痛みからの解放、そしてより良い生活へと繋がるはずです。