救急車が近づいてきたら一旦停止しなくてはいけませんか？

救急車のサイレンが聞こえたら？　あなたの行動が命を救うかもしれない

けたたましいサイレンの音。救急車や消防車などの緊急車両が近づいてくる合図です。運転中であれば、一瞬緊張が走るのではないでしょうか。「どうすればいいんだ？」と焦ってしまう人もいるかもしれません。救急車などの緊急車両への対応は、道路交通法で定められており、誤った行動は法律違反になるだけでなく、人命救助の妨げになる可能性もあります。

この記事では、救急車が近づいてきた際に、私たちがどのように行動すべきか、より詳しく掘り下げて解説します。

原則は「一時停止」、ただし状況に応じて柔軟な対応を

道路交通法第40条には、緊急車両が接近してきた際の対応について明確な規定があります。原則として、交差点やその付近では、交差点を避け、道路の左側に寄って一時停止しなければなりません。これは、緊急車両がスムーズに走行できるよう、道を譲る義務を私たちに課しているのです。

しかし、「原則」という言葉が意味するように、すべての場合において一時停止が最善策とは限りません。状況によっては、一時停止することでかえって緊急車両の通行を妨げたり、他の車両の通行を阻害したりする可能性があります。

状況別、適切な対応のポイント

• 見通しの良い道路: 周囲の安全を確認し、ハザードランプを点灯させてゆっくりと左側に寄せて停止しましょう。後続車に注意を促すことが重要です。
• 見通しの悪い道路: カーブや坂道などで緊急車両の接近に気づくのが遅れた場合は、無理な急ブレーキは避けましょう。後続車との追突事故のリスクがあります。ハザードランプを点灯させ、徐々に速度を落としながら、安全な場所に停止しましょう。
• 交差点: 交差点内やその付近にいる場合は、無理な一時停止はかえって危険です。周囲の交通状況を確認し、安全に交差点を通過できる場合は、速やかに通過しましょう。通過できない場合は、安全な場所に停止し、緊急車両の通行を妨げないように注意しましょう。
• 一方通行: 一方通行の道路で、左側に寄ることが困難な場合は、道路の右側に寄せて停止しましょう。
• 歩行者: 歩行者は、緊急車両の通行を妨げないように、速やかに道路の端に寄りましょう。特に、小さなお子さんや高齢者のいる場合は、安全な場所へ誘導するなど、周囲への配慮も大切です。

緊急車両への対応で最も大切なこと

緊急車両への対応で最も大切なことは、周囲の状況をよく観察し、安全を確保することです。焦って危険な行動をとるのではなく、冷静に状況を判断し、適切な行動を選択しましょう。

最後に

緊急車両への対応は、私たち一人ひとりが協力することで、人命救助に貢献できる大切な行動です。この記事を参考に、緊急車両が接近してきた際には、冷静かつ安全な対応を心がけましょう。そして、救急車が向かう先にいる、助けを必要としている人のために、スムーズな通行をサポートしましょう。