横切る時は一時停止しなくてはいけませんか？

横断歩道の意外な落とし穴！「止まって見る」は本当に安全？

誰もが当たり前のように行う横断歩道の渡り方。実は、潜んでいる危険があることをご存知ですか？

道路交通法では、横断歩道を渡る際、「路側帯等から車道に出る直前で一時停止し、歩行者や自転車の通行を妨げずに安全を確認する」ことが義務付けられています。しかし、「止まって見る」という行動自体が、新たなリスクを生み出す可能性も孕んでいるのです。

なぜ「止まって見る」だけでは危険なのか？

1. 運転者からの視認性低下

車が迫ってくる状況下で、急に歩行者が停止すると、運転者にとって予測外の動きとなり、反応が遅れる可能性があります。特に、夜間や雨天時など視界が悪い場合は、停止している歩行者を認識するのが遅れ、事故に繋がるケースも少なくありません。

2. 注意力散漫

スマートフォンを操作しながら、またはイヤホンで音楽を聴きながら歩いていると、周囲の状況に注意が向きにくくなります。停止した際に、こうした「ながら行動」によって注意力が散漫になり、車の接近に気付かない可能性も考えられます。

3. 焦りによる誤った判断

車が接近してくる状況で、慌てて横断しようとすると、冷静な判断力を失い、危険な行動をとってしまうことがあります。特に、子供や高齢者は、焦りから誤った判断をしがちなので注意が必要です。

安全に横断するために、私たちができること

では、どのようにすれば安全に横断歩道を渡ることができるのでしょうか？

1. 車が完全に停止してから渡る

横断歩道の手前で停止し、車が完全に停止したことを確認してから渡り始めましょう。運転者とアイコンタクトを取る、会釈をするなどして、お互いの意思疎通を図ることも有効です。

2. 周囲の状況を常に確認する

横断歩道の手前に差し掛かる前に、左右をよく見て、車の有無だけでなく、速度や進行方向も確認しましょう。また、横断中は、車が急に方向を変えたり、飛び出してくる可能性も考慮し、常に周囲に注意を払い続けることが重要です。

3. 「ながら行動」は絶対にしない

横断中は、スマートフォンやイヤホンの使用は控え、周囲の状況に集中しましょう。「ながら行動」は、私たちの五感を鈍らせ、危険を察知する能力を著しく低下させてしまいます。

4. 子供と一緒に横断する際は、大人が手を引く

子供が横断する際は、大人が手を引いて、安全を確保しましょう。子供は、車に対する危険認識が未発達なため、大人がしっかりと注意を払い、安全な行動を教えることが大切です。

横断歩道は、歩行者にとって安全が保障された場所ではありません。歩行者一人ひとりが、交通ルールを守り、周囲に注意を払い、安全を確保するための行動を心掛けることが重要です。