海外出向で住民票を残す必要はありますか?

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海外赴任で1年未満の場合は、住民票の移動手続きは不要です。住民票はそのまま国内に残し、転勤扱いとなります。ただし、住民票をそのままにしておくと住民税がかかりますので、節税を図る場合は、翌年の1月1日までに住民票の「除票」を行う必要があります。
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海外赴任、それはキャリアアップの大きなチャンスであり、同時に多くの準備と手続きを必要とする転機です。その中でも、意外と頭を悩ませるのが住民票の扱いではないでしょうか。特に、期間が1年未満の短期赴任の場合、住民票をどうすれば良いのか迷う方も多いはずです。この記事では、海外赴任における住民票の扱い、特に1年未満の短期赴任を想定し、住民票を残しておくことのメリット・デメリット、そして節税対策についても詳しく解説します。

まず結論から言うと、海外赴任で1年未満の場合は、住民票を必ずしも移す必要はありません。住民票は日本の住所地にそのまま残しておくことができます。これは、海外赴任が転勤扱いとなるためです。会社から海外赴任の命令を受け、一時的に海外に滞在する期間が1年未満であれば、住民登録上の住所地に変更がないため、転出届を提出する必要がありません。

しかし、住民票をそのままにしておくことは、必ずしもメリットばかりではありません。最大のデメリットは、住民税の負担です。日本の住民税は、1月1日時点での住民票の所在地に基づいて計算されます。仮に、海外赴任中に住民票を日本の住所地にそのまま残しておくと、その住所地を管轄する市区町村に住民税を納付する義務が生じます。海外で生活しているにも関わらず、日本の住民税を支払うことになり、二重生活費のような状態になってしまいます。これは、経済的な負担が大きくなるだけでなく、税金の計算や納付手続きが煩雑になる可能性もあります。

そこで重要になってくるのが、「除票」です。除票とは、住民票からその人の登録情報を削除することではありません。住民票に記載されている情報が、そのままコピーされた証明書です。住民票の所在地を維持したまま、住民税を課税されないようにするための有効な手段となります。海外赴任が決まったら、赴任前に住民票の除票を取り、そのコピーを所持しておけば、住民税の二重課税を回避できます。ただし、除票は発行日から6ヶ月しか有効ではないため、必要なタイミングで取得する必要があります。

では、いつ除票を取得すれば良いのでしょうか? 住民税の課税は、前年の1月1日時点の住民票に基づいて計算されます。そのため、翌年の1月1日までに除票を取得しておくことが一般的です。海外赴任が年末に始まる場合、赴任前に除票を取得し、帰国後すぐに住民登録を復活させるという方法もあります。

もちろん、住民票を残しておくメリットもあります。例えば、戸籍謄本などの取得が容易になりますし、日本の金融機関の取引に支障をきたすこともありません。また、日本の各種サービスの利用にも影響が出にくいという利点もあります。

このように、海外赴任における住民票の扱いは、赴任期間や経済状況、個々の事情によって最適な方法が異なります。 1年未満の短期赴任であっても、住民税の負担を軽減するためには、除票の取得を検討することが重要です。 赴任前に市区町村役場などに相談し、自身の状況に合わせた最適な手続き方法を確認することを強くお勧めします。 専門家への相談も有効な手段の一つとなるでしょう。 安易な判断ではなく、しっかりと情報を集め、自分に最適な方法を選択することで、安心して海外赴任に臨めるはずです。