異性のお風呂 何歳まで？

異性のお風呂、何歳まで？ – 親の責任と施設の対応、そして社会の視点

2020年の厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」改定により、公衆浴場における男女混浴の年齢制限は「おおむね7歳以上」と示されました。この改定によって、7歳未満の子どもであれば、異性の利用に関して問題ないとされている点が、多くの親御さんにとって分かりにくい点かもしれません。しかし、この「おおむね7歳以上」という表現からは、単純な年齢制限だけでなく、より複雑な要素が絡み合っていることが読み取れます。

まず重要なのは、「おおむね」という表現が示す曖昧性です。これは、年齢が全てではないことを意味します。子どもの発達段階、性的意識の芽生え、そして個々の施設の状況によって、判断が異なってくることを示唆しています。7歳未満であっても、性的な意識が既に芽生えている子どももいれば、そうでない子どももいます。施設側も、子どもの年齢だけでなく、その行動や状況を総合的に判断する必要があるでしょう。

例えば、5歳の子どもが、親の同伴のもとで、落ち着いて入浴できている場合と、8歳の子どもが、一人で行動し、周囲に気兼ねなく裸でいることに抵抗を感じていない場合では、同じ「年齢」でも、状況は全く異なります。前者の場合、混浴に問題がないと判断される可能性が高い一方で、後者の場合は、年齢に関わらず、混浴は適切ではないと判断される可能性があります。

さらに、保護者の責任も非常に重要です。7歳未満の子どもを混浴させる場合、保護者は、子どもの状況を常に把握し、他の利用者に配慮した行動をとる必要があります。子どもが他の利用者に対して不快感を与えないよう、適切な指導や注意を行うことが不可欠です。混浴という状況において、子どもの行動を管理し、他の利用者への配慮を徹底するのは、保護者の責任です。

施設側も、明確なルールを設けることで、利用者への安心感を提供する必要があります。年齢制限だけでなく、「保護者の同伴が必要」「混浴エリアの利用時間制限」などの具体的なルールを設け、利用者に周知徹底することで、トラブルを予防することができます。また、混浴エリアと男女別のエリアを明確に区別するなど、物理的な工夫も有効です。

社会全体として、子どもたちの発達段階やプライバシーへの配慮を深め、より適切な混浴に関する認識を共有していくことが求められます。年齢だけで判断するのではなく、子どもの状況、保護者の責任、施設の対応、そして社会全体の認識を総合的に考慮することで、安心して利用できる公衆浴場の環境を構築していくことが重要です。単なる「何歳まで」という単純な問いに対してではなく、より複雑で多角的な視点を持つことが、健全な社会の発展に繋がるのではないでしょうか。 この問題は、年齢制限という枠を超え、社会全体で共有し、議論していくべき課題といえます。