白い着物はなんて呼ばれますか？

白い着物、それは「白無垢」だけじゃない！

白装束と聞いて、まず思い浮かべるのは結婚式の花嫁衣装である「白無垢」ではないでしょうか。しかし、白い着物には白無垢以外にも様々な種類があり、それぞれ異なる意味合いや用途を持っています。

白無垢：神聖な婚礼衣装

冒頭でも触れた通り、白無垢は結婚式で花嫁が着用する最も格式の高い衣装です。文字通り「汚れのない白」で全身を覆うことで、純粋無垢な気持ちで嫁ぎ先の色に染まる、という意味が込められています。掛下、帯、小物に至るまですべて白で統一され、綿帽子や角隠しといった独特の被り物を合わせるのが一般的です。

喪服：哀悼の意を表す白

白は、婚礼だけでなく葬儀の際にも用いられます。特に、故人の旅立ちを見送る際に着られる白装束は、仏教的な意味合いが強く、死後の世界への旅立ちを清らかな状態で送る、という意味を持ちます。現代では葬儀に喪服として着物を着用する人は少なくなりましたが、地域によっては納棺の際に故人に白い着物を着せる風習が残っています。

神職の装束：神聖な儀式を司る白

神社に勤める神職も、儀式の際に白い着物を着用します。これは、神様にお仕えする身として、常に清浄な状態を保つためです。位の高い神職は、白い着物に袴を合わせ、特別な装束を身に着けます。

時代劇の虚無僧：隠遁者の白

時代劇などで見かける虚無僧（こむそう）も、白い着物を身に着けていることがあります。彼らは、尺八を吹きながら諸国を巡り歩く僧侶であり、世俗を離れた存在として描かれます。白装束は、世間との繋がりを断ち、修行に専念する姿勢を表していると言えるでしょう。

舞台衣装：様々な表現を可能にする白

舞台衣装として白い着物が用いられる場合、その表現は多岐に渡ります。役柄や演出によって、純粋さ、儚さ、あるいは狂気といった、様々な感情を象徴することができます。白は、他の色との組み合わせによっても大きく印象を変えるため、表現の幅が広い色と言えるでしょう。

このように、白い着物には白無垢以外にも様々な種類があり、それぞれ異なる意味合いや用途を持っています。単に「白い着物」と一括りにするのではなく、それぞれの背景にある文化や歴史を知ることで、より深く日本の文化に触れることができるのではないでしょうか。