耳が聞こえない人が緊急通報するにはどうすればいいですか?

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聴覚障害者は、緊急時には119番への電話以外に、緊急ネット通報システム、119番ファクシミリ、または電話リレーサービスを利用できます。これらのサービスは、音声によるコミュニケーションが困難な方のための代替手段として用意されています。迅速な対応のため、事前に利用方法を確認しておきましょう。

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音のない緊急事態:聴覚障がい者が119番通報する、声以外の手段

緊急事態は、いつ、どこで起こるか予測できません。火災、事故、急病…一刻を争う状況で、私たちが当たり前のように利用する119番通報。しかし、聴覚障がいのある方にとっては、音声によるコミュニケーションが困難なため、同じように迅速な対応を得ることが難しい場合があります。

そこで今回は、聴覚障がいのある方が、声を使わずに緊急通報するための方法について、深く掘り下げてご紹介します。インターネット上で公開されている一般的な情報だけでなく、より具体的な手段や注意点、そして日頃からの備えについて解説します。

1. 緊急ネット通報システム:スマートフォンの可能性を最大限に活用

近年、普及が進んでいるのが、インターネット回線を利用した緊急ネット通報システムです。これは、スマートフォンやタブレット端末から、専用のアプリやWebサイトを通じて、文字や画像、GPS情報などを送信することで、消防や警察に緊急事態を伝えることができるシステムです。

メリット:

  • 迅速な情報伝達: 音声による説明が不要なため、緊急事態の状況や場所を正確かつ迅速に伝えることができます。
  • 視覚的な情報伝達: 写真や動画を添付することで、状況をより具体的に伝えることができます。
  • GPSによる位置情報特定: 自分のいる場所を正確に伝えることが難しい場合でも、GPS情報によって特定してもらうことができます。

注意点:

  • 事前の登録が必要: 多くのシステムでは、利用前に居住地の消防署への登録が必要です。登録方法や利用方法については、各自治体の消防署に問い合わせるか、インターネットで「緊急ネット通報システム [お住まいの地域]」と検索して確認しましょう。
  • 通信環境の確認: インターネット回線を利用するため、通信環境が安定している必要があります。電波状況が悪い場所では、正常に機能しない可能性があります。
  • アプリの操作に慣れておく: 緊急時にスムーズに操作できるよう、日頃からアプリの使い方を練習しておきましょう。

2. FAX 119番:確実な情報伝達をアナログで

FAX 119番は、FAXを通じて緊急事態を伝える方法です。特に高齢の方や、スマートフォンの操作に不慣れな方にとって、比較的手軽に利用できる手段と言えるでしょう。

メリット:

  • 特別な機器が不要: 一般的な家庭用FAXがあれば利用できます。
  • 文字情報を確実に伝達: 紙媒体で情報を送信するため、相手に確実に情報を伝えることができます。

注意点:

  • 事前の登録が必要: 緊急ネット通報システムと同様に、事前の登録が必要です。登録用紙は各自治体の消防署で入手できます。
  • テンプレートの準備: 緊急時に慌てないように、あらかじめ必要な情報を書き込めるテンプレートを用意しておきましょう(氏名、住所、緊急連絡先、状況など)。
  • FAX番号の確認: 利用するFAX番号は、お住まいの地域によって異なります。必ず事前に確認しておきましょう。

3. 電話リレーサービス:オペレーターによるサポート

電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある人と、健聴者との間をオペレーターが仲介するサービスです。緊急通報以外にも、様々な場面で利用できます。

メリット:

  • 音声によるコミュニケーションが可能: オペレーターが通訳してくれるため、相手と音声でコミュニケーションをとることができます。
  • 様々な場面で利用可能: 緊急通報だけでなく、病院への予約や問い合わせなど、様々な場面で利用できます。

注意点:

  • 事前の登録が必要: 利用前に、電話リレーサービスの登録が必要です。
  • オペレーターとの連携: オペレーターに状況を正確に伝える必要があります。事前に伝えたい情報を整理しておくと、スムーズに連携できます。

4. 日頃からの備え:緊急時に備えてできること

上記以外にも、日頃からできる備えがあります。

  • 緊急連絡先のリスト作成: 家族、友人、近所の人など、緊急時に連絡できる人のリストを作成し、常に持ち歩きましょう。
  • 身分証明書の携帯: 万が一の場合に備えて、身分証明書を常に携帯しましょう。
  • 近隣住民との連携: 近隣住民に聴覚障がいがあることを伝え、緊急時に協力してもらえるように、日頃からコミュニケーションをとっておきましょう。

緊急事態は、誰にでも起こりうるものです。聴覚障がいのある方が、安心して暮らせる社会を実現するためには、これらの情報を広く共有し、理解を深めることが重要です。そして、万が一の事態に備えて、一人ひとりができることを実践していくことが大切です。