青色の看板の正式名称は？

青い道路標識、その正式名称と知られざる歴史

街を歩き、車を走らせる時、私たちは無意識のうちに様々な道路標識を目にしています。その中でも、特に目に付きやすいのが、案内標識として機能する青色の標識ではないでしょうか。では、この青色の道路標識には、正式な名称があるのでしょうか？そして、その背景にはどのような歴史が隠されているのでしょうか？

結論から言えば、青色の道路標識を指す特定の「正式名称」は存在しません。道路標識は、その形状、色、そして描かれている内容によって分類され、それぞれが「案内標識」や「警戒標識」といったカテゴリーに属しています。青色の標識は、主に「案内標識」として機能し、目的地や方面、施設などをドライバーや歩行者に知らせる役割を担っています。

しかし、「案内標識」という名称だけでは、その奥深くまでを知ることはできません。実は、青色の道路標識のルーツは、大正時代にまで遡ることができます。大正11年に制定された政令「道路警戒標及道路方向標に関する件」が、道路標識に関する初めての法的な規定を設けました。この政令によって、現代の青色標識の原型となるものが登場したのです。

当時の標識は、現代のものとはデザインが大きく異なっていました。例えば、ローマ字表記はなく、漢字のみで目的地が示されていたり、形状も円形ではなく、より簡素なものであったりしました。しかし、その役割は今と変わらず、道路を安全に利用するための情報提供でした。

戦後の高度経済成長期に入ると、自動車の普及が急速に進み、道路網も拡大しました。それに伴い、道路標識の規格化、デザインの統一化が急務となり、現在の国際的な基準に沿ったデザインへと変化していきました。青色の採用は、視認性の高さや、心理的な安定感を与える効果などが考慮された結果だと言われています。

現代の青色標識は、単なる道路案内以上の役割も担っています。例えば、高速道路の青色標識は、インターチェンジ番号を表示することで、ドライバーが目的地までの距離や進捗状況を把握するのに役立っています。また、外国人観光客の増加に対応するため、ローマ字表記やピクトグラム（絵文字）を積極的に導入することで、より分かりやすい情報提供を目指しています。

このように、青色の道路標識は、時代とともに変化し、進化してきました。その背景には、道路交通の安全性を向上させようとする、先人たちの努力と工夫が込められています。次回、街で青色の道路標識を見かけた際には、その歴史と役割に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。きっと、いつもとは違った景色が見えてくるはずです。