「お伺いさせていただきます」は二重敬語ですか?

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「お伺いさせていただきます」は、一般的に二重敬語と見なされます。「伺う」は謙譲語であり、それ自体が敬意を示す表現です。そこにさらに「させていただく」を加えることで、謙譲語が重複し、過剰な敬語表現となってしまうため、注意が必要です。

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「お伺いさせていただきます」は二重敬語?ケース別に徹底解説

「お伺いさせていただきます」という表現、ビジネスシーンでよく耳にするのではないでしょうか。相手への敬意を込めた丁寧な言葉遣いとして認識されていますが、実はこの表現、状況によっては「二重敬語」と判断される可能性があるのです。

この記事では、「お伺いさせていただきます」が二重敬語となるケース、そしてより適切な言い換え表現を、具体的な場面を想定しながら解説します。

なぜ「お伺いさせていただきます」は二重敬語となり得るのか?

「お伺いさせていただきます」は、「伺う」という謙譲語に、さらに「させていただく」という謙譲語を付加した形です。「伺う」自体が「聞く」や「訪問する」の謙譲語として、相手への敬意を示す言葉として機能しています。そこに「させていただく」を重ねることで、謙譲の意が過剰になり、かえって不自然な印象を与えてしまうことがあるため、二重敬語とみなされるのです。

ただし、全ての「お伺いさせていただきます」が間違いというわけではありません。使用する状況や相手との関係性によって、許容される場合もあります。

ケース別:適切な使用例と注意点

  1. 上司や取引先への訪問を伴う場合:

    • 二重敬語となる可能性が高い例: 「明日の10時に、お伺いさせていただきます。」
    • より適切な表現例: 「明日の10時に、伺います。」 「明日の10時に、お伺いいたします。」

    訪問の場合は、「伺う」だけで十分に敬意を示すことができます。「させていただきます」を付け加える必要はありません。「いたします」は丁寧語なので、謙譲語である「伺う」と組み合わせても二重敬語にはなりません。

  2. 上司や取引先に確認や許可を得る場合:

    • 許容される例: 「明日の会議について、お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか。」

    この場合は、「~させていただく」が、相手に許可を求める意味合いを含んでいます。相手の許可を得て行動することへの謙譲の意を示しているので、必ずしも二重敬語とは言えません。ただし、多用は避け、状況に応じて別の表現を検討することも重要です。

  3. 社内での使用:

    • 二重敬語となる可能性が高い例: 「〇〇様、先日はお伺いさせていただきありがとうございました。」
    • より適切な表現例: 「〇〇様、先日はお話をお聞かせいただきありがとうございました。」 「〇〇様、先日はお時間をいただきありがとうございました。」

    社内の人に過剰な敬語を使うと、かえって距離を感じさせてしまうことがあります。相手との関係性や状況に応じて、より自然な言葉遣いを心掛けましょう。

「お伺いさせていただきます」の言い換え表現

  • 伺います
  • お伺いいたします
  • 参ります
  • お尋ねします
  • お聞かせいただけますか
  • お話を伺えますでしょうか
  • ご連絡差し上げます

これらの表現を状況に応じて使い分けることで、より適切で自然なコミュニケーションが可能になります。

まとめ

「お伺いさせていただきます」は、必ずしも間違いではありませんが、二重敬語と判断される可能性があることを理解しておくことが重要です。使用する際には、相手との関係性や状況を考慮し、より適切な表現を選択するように心がけましょう。

過剰な敬語は、かえって相手に不快感を与えてしまうこともあります。相手に失礼のない範囲で、丁寧かつ自然な言葉遣いを意識することが、円滑なコミュニケーションに繋がるでしょう。