がん治療の4本柱は何ですか?

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がん治療は、手術、放射線療法、化学療法の3本柱に加え、近年注目されている免疫療法が4本目の柱として重要視されています。免疫療法は、がん細胞を体自身の免疫システムで攻撃する治療法です。
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がん治療の4本柱:従来の3本と進化する免疫療法

がん治療というと、手術、放射線療法、化学療法の3つを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。これらの治療法は長年にわたり、がん治療の基盤として多くの患者さんの命を救ってきました。そして今、第4の柱として「免疫療法」が注目を集めています。

1. 手術療法:がんの根治を目指す第一選択

手術療法は、がんの病巣を直接切除する治療法です。がんが早期で発見され、周囲への転移がない場合、手術によってがんを完全に取り除くことが期待できます。技術の進歩により、身体への負担が少ない内視鏡手術やロボット支援手術なども普及し、より多くの患者さんにとって選択可能な治療法となっています。

2. 放射線療法:がん細胞を狙い撃ちする

放射線療法は、高エネルギーの放射線を用いてがん細胞を破壊する治療法です。手術と異なり、身体への負担が少なく、体力の低下した患者さんや高齢の患者さんでも受けやすいという利点があります。また、手術でがんを完全に取り除くことが難しい場合や、手術後に残存する可能性のあるがん細胞を死滅させるためにも用いられます。

3. 化学療法:全身のがん細胞を攻撃

化学療法は、抗がん剤を用いて全身のがん細胞を攻撃する治療法です。手術で取り切れないほどがんが進行している場合や、がんが再発した場合などに有効です。近年では、副作用の少ない抗がん剤や、特定の遺伝子変異を持つがん細胞だけを攻撃する分子標的薬など、新しい薬の開発も進んでいます。

4. 免疫療法:新たな柱として期待高まる

そして、近年急速に進化を遂げているのが免疫療法です。免疫療法は、私たちの身体に備わっている免疫システムを利用して、がん細胞を攻撃する治療法です。従来の治療法とは異なるメカニズムで作用するため、これまで効果が期待できなかったがんに対しても有効な場合があります。

免疫療法には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

  • 免疫チェックポイント阻害薬: がん細胞は、免疫細胞の攻撃を抑制する「ブレーキ」をかけています。免疫チェックポイント阻害薬は、このブレーキを解除することで、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにします。
  • がんワクチン: がん細胞の特徴を免疫細胞に学習させ、がん細胞だけを攻撃するように誘導するワクチンです。
  • 養子免疫細胞療法: 患者さん自身の免疫細胞を取り出し、試験管内でがん細胞を攻撃するように活性化させた後、再び体内に戻す治療法です。

免疫療法は、従来の治療法と比べて副作用が少ないという利点がありますが、全てのがんに有効なわけではなく、効果には個人差があります。

がん治療の未来:個別化医療と多様化する選択肢

がん治療は、従来の3本柱に加え、免疫療法という新たな柱を迎え、治療の選択肢はますます広がりを見せています。今後、患者の遺伝子情報やがんの特徴を詳細に解析し、最適な治療法を選択する「個別化医療」がさらに進展していくと考えられます。

がんは決して克服できない病気ではありません。がんと診断されたとしても、諦めずに、医師とよく相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。