ご飯を食べなくても体重が増えるのはなぜ?

10 ビュー

体は飢餓状態を察知すると、エネルギー節約モードに入り、脂肪蓄積を促進します。代謝が低下し、少ないカロリーでも脂肪として蓄積されやすくなるため、食事制限による体重増加が起こり得ます。これは、体が将来の飢餓に備えようとする生存本能によるものです。 よって、極端な食事制限は逆効果になりかねません。

コメント 0 好き

ご飯を食べなくても体重が増える? その意外なメカニズムと対策

「最近、全然ご飯食べてないのに、なぜか体重が増えてる…!」

ダイエット中の方なら、一度はそんな経験をしたことがあるかもしれません。食べる量を減らしているのに体重が増えるなんて、まるで理不尽ですよね。しかし、これにはきちんとした理由があります。

冒頭でも触れられているように、体は優秀な生存本能を持っています。極端な食事制限は、体に「飢餓状態」だと認識させ、危機感を抱かせます。すると、体はエネルギーを節約しようと、様々な反応を起こし始めます。

1. 省エネモードへの移行:基礎代謝の低下

一番大きな変化は、基礎代謝の低下です。基礎代謝とは、生命維持に必要な最低限のエネルギー消費量のことで、安静にしている状態でも消費されるカロリーのことです。飢餓状態と判断した体は、この基礎代謝を下げ、エネルギー消費を抑えようとします。

例えば、これまで1日に1500kcal消費していた人が、基礎代謝が低下して1300kcalしか消費しなくなったとしましょう。すると、摂取カロリーが同じでも、余った200kcalは脂肪として蓄積されやすくなります。

2. エネルギー吸収率の向上:少ないカロリーでも吸収してしまう

さらに、体はエネルギーを効率的に吸収しようとします。今までであれば体外に排出されていた栄養素まで、可能な限り吸収しようとするため、エネルギー吸収率が向上します。つまり、今までと同じ量の食事でも、より多くのカロリーを吸収してしまう可能性があるのです。

3. 筋肉量の減少:脂肪を溜め込みやすい体へ

食事制限による体重減少は、脂肪だけでなく筋肉も落としてしまう可能性があります。筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費するため、筋肉量が減ると基礎代謝がさらに低下し、脂肪を溜め込みやすい体になってしまいます。

4. ストレスによるホルモンバランスの乱れ:食欲増進と脂肪蓄積

極端な食事制限は、精神的なストレスにも繋がります。ストレスは、食欲を増進させるホルモンであるコルチゾールの分泌を促し、結果として食べ過ぎに繋がる可能性があります。また、コルチゾールは脂肪、特に腹部に脂肪を蓄積させやすいという特徴も持っています。

では、どうすれば良いのか? 健康的に体重をコントロールするために

  • 無理な食事制限は絶対に避ける: 極端な食事制限は、一時的に体重が減っても、リバウンドのリスクが高く、体にも大きな負担をかけます。
  • バランスの取れた食事を心がける: 炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂取し、必要な栄養素をしっかり摂ることが重要です。
  • 適度な運動を取り入れる: 筋肉量を維持・増加させ、基礎代謝を上げるために、ウォーキングや筋力トレーニングなどを習慣にしましょう。
  • 十分な睡眠をとる: 睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンバランスを乱す可能性があります。
  • ストレスを溜め込まない: 自分なりのストレス解消法を見つけ、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。

ご飯を食べない、という極端な食事制限は、長期的に見ると逆効果になる可能性が高いです。健康的な食生活と適度な運動を通して、無理なく体重をコントロールしていきましょう。