痛み止めを飲んでも痛いのはなぜですか？

鎮痛剤を飲んでも痛みが消えない？その理由と対処法

鎮痛剤を飲んだのに、期待したほど痛みが和らがない経験をしたことはありませんか？それは、鎮痛剤が万能薬ではないこと、そして痛みの原因や種類によって効果的な鎮痛剤が異なることが理由として挙げられます。

痛みの種類と鎮痛剤の作用機序

痛みは大きく分けて、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛の３つに分類されます。

• 侵害受容性疼痛: 組織の損傷（炎症、外傷など）によって引き起こされる痛みです。一般的な鎮痛剤（非ステロイド性抗炎症薬：NSAIDsなど）は、炎症を抑えることで痛みを軽減します。
• 神経障害性疼痛: 神経自体が損傷したり、機能異常を起こしたりすることで発生する痛みです。例えば、帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害などが該当します。NSAIDsはあまり効果がなく、神経に直接作用する薬（抗てんかん薬や抗うつ薬など）が用いられることがあります。
• 心因性疼痛: 心理的な要因（ストレス、不安、うつなど）が原因で発生する痛みです。この場合、鎮痛剤の効果は限定的で、心理療法や抗うつ薬などが有効な場合があります。

考えられる原因と対処法

鎮痛剤を飲んでも痛みが消えない場合、以下の原因が考えられます。

1. 原因となっている疾患が特定できていない: 痛みの原因となっている疾患が特定できていない場合、適切な治療が行えていない可能性があります。まずは医師の診察を受け、正確な診断を受けることが重要です。
2. 鎮痛剤の種類が適切でない: 上述のように、痛みの種類によって効果的な鎮痛剤は異なります。医師や薬剤師に相談し、自分の痛みに合った鎮痛剤を選びましょう。
3. 服用量が不足している、または服用方法が間違っている: 鎮痛剤は、用法・用量を守って正しく服用することが大切です。自己判断で増量したり、服用間隔を短くしたりすることは避けましょう。
4. 痛みが強すぎる: あまりにも強い痛みの場合、市販の鎮痛剤では効果が不十分な場合があります。医師に相談し、より強力な鎮痛剤を処方してもらう必要があるかもしれません。
5. 鎮痛剤の効果が現れるまで時間がかかる: 鎮痛剤の種類によっては、効果が現れるまでにある程度の時間がかかる場合があります。服用後、すぐに効果が出なくても、しばらく様子を見てみましょう。
6. 鎮痛剤の副作用: まれに、鎮痛剤の副作用で痛みが悪化することがあります。特に、長期的に服用している場合は、副作用の可能性も考慮する必要があります。
7. プラセボ効果の限界: 鎮痛剤を服用することで、心理的な安心感から痛みが和らぐこともあります（プラセボ効果）。しかし、痛みが強い場合は、プラセボ効果だけでは十分な効果が得られないことがあります。

重要なこと

• 自己判断で鎮痛剤を漫然と服用し続けることは避けましょう。
• 痛みが長引く場合や、鎮痛剤を服用しても痛みが改善しない場合は、必ず医師に相談してください。
• 医師の指示に従い、適切な治療を受けることが、痛みを根本的に解決するために最も重要です。

上記の情報は一般的なものであり、個々の状況によって異なる場合があります。自己判断せずに、必ず専門家の意見を聞くようにしてください。