まぶたのできものには皮膚科か眼科か?

0 ビュー

まぶたのできものには、皮膚科と眼科の両方の受診が推奨されます。特に、結膜炎の症状やヘルペスが疑われる場合は、眼にも影響が出る可能性があるためです。皮膚の症状だけでなく、眼の中にも炎症が起きているかどうかを確認するために、眼科を受診することが重要です。

コメント 0 好き

まぶたの「できもの」:皮膚科?眼科?迷った時の羅針盤

まぶたに「できもの」ができた時、多くの人が「皮膚科?眼科?」と悩むのではないでしょうか。見た目は皮膚のトラブルのようでも、場所が場所だけに「眼科に行った方が良いのかな…」と不安になるのも無理はありません。

結論から言うと、症状によって、どちらの科を受診すべきか、あるいは両方受診すべきかが変わります。 この記事では、あなたのまぶたの「できもの」が一体何なのか、そして、どちらの科を受診するのが適切なのかを判断するための羅針盤となる情報を提供します。

まずは、あなたの「できもの」を観察しましょう

  • 場所: まぶたの表面(皮膚側)か、まつ毛の生え際か、あるいはまぶたの内側(粘膜側)か。
  • 見た目: 赤み、腫れ、痛み、かゆみ、膿の有無。
  • 症状: 視力への影響、涙が出る、まぶたが重い、異物感。

これらの情報を元に、以下のケース分けを参考にしてください。

ケース1:まぶたの表面(皮膚側)に、赤みや腫れ、痛みがある場合

この場合は、皮膚科を受診するのが一般的です。考えられる原因としては、

  • ものもらい(麦粒腫): 黄色ブドウ球菌などの細菌感染による炎症。まぶたの縁や内側に、赤みや腫れ、痛みを伴うしこりができます。
  • 霰粒腫(さんりゅうしゅ): 脂腺の詰まりによって起こる慢性的な炎症。痛みは少ないですが、まぶたにコロコロとしたしこりができます。
  • 接触性皮膚炎: 化粧品やシャンプーなどが原因で起こる皮膚の炎症。かゆみや赤み、腫れなどが現れます。

これらの皮膚科的な疾患であれば、皮膚科医による診断と適切な治療(抗菌薬の軟膏、ステロイド軟膏、切開など)を受けることで改善が期待できます。

ケース2:まつ毛の生え際に、赤みや腫れ、かゆみがある場合

この場合も、皮膚科が第一選択となることが多いでしょう。考えられる原因としては、

  • 眼瞼炎: まつ毛の根元にある脂腺の炎症。フケのようなものが付着したり、かゆみや赤みが現れます。

眼瞼炎の場合、皮膚科では抗炎症剤や抗菌薬の軟膏を処方したり、適切な洗浄方法を指導してくれます。

ケース3:まぶたの内側(粘膜側)に、赤みや腫れ、痛みがある場合、または、視力への影響や涙が出るなどの症状がある場合

この場合は、眼科を優先的に受診しましょう。考えられる原因としては、

  • 結膜炎: 細菌やウイルス、アレルギーなどが原因で起こる結膜の炎症。充血、目やに、かゆみなどの症状が現れます。
  • 麦粒腫(ものもらい)の内側タイプ: まぶたの内側の脂腺が炎症を起こしたもの。

これらの疾患は、視力に影響を与えたり、他の人に感染する可能性があるため、専門医の診察が必要です。

ケース4:ヘルペスが疑われる場合

水疱瘡や帯状疱疹ウイルスによるヘルペスの場合、まぶたに水疱や痛みが生じることがあります。この場合、眼科を受診することを強く推奨します。ヘルペスウイルスが目に感染すると、視力低下などの深刻な後遺症を残す可能性があるため、早期の治療が不可欠です。

迷ったら両方受診も検討を

上記はあくまで目安です。自己判断が難しい場合は、皮膚科と眼科の両方を受診することを検討しましょう。それぞれの専門医の視点から、的確な診断と治療を受けることができます。

大切なのは早期受診

まぶたの「できもの」は、放置すると悪化したり、他の人に感染する可能性があります。違和感を感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。早期発見・早期治療が、快適な生活を取り戻すための第一歩です。