ワセリンは発がん性物質を含んでいますか？

ワセリンは発がん性物質を含んでいるの？

ワセリンは、石油から精製される半固体の白色ワックスです。保湿剤や軟膏として広く使用されています。しかし、ワセリンに発がん性物質が含まれているのではないかという懸念が一部で提起されています。

芳香族炭化水素類の懸念

ワセリンの主な懸念事項は、芳香族炭化水素類と呼ばれる成分の存在です。芳香族炭化水素類には、ベンゼンやベンゾピレンなど、既知の発がん性物質が含まれています。これらは石油由来の物質であり、精製工程中にワセリンに混入することがあります。

研究結果

いくつかの研究では、ワセリンに芳香族炭化水素類が含まれていることが確認されています。たとえば、2002年の研究では、市販のワセリン製品にベンゼンが検出されました。また、2017年の研究では、ワセリンサンプルからベンゾピレンが検出されました。

発がん性のリスク

ただし、ワセリンの使用と発がん性との間に明確な因果関係があることを示唆する証拠はほとんどありません。国際がん研究機関（IARC）は、ワセリンに含まれる芳香族炭化水素類が「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」と分類しています。しかし、IARCはまた、現時点では限られた証拠しかなく、さらなる研究が必要であると指摘しています。

米国食品医薬品局（FDA）の見解

FDAは、ワセリン製品が「一般に安全と認識されている（GRAS）」と分類しています。つまり、FDAはワセリンの使用には重大な健康上のリスクはないと考えています。しかし、FDAはまた、ワセリン製品に含まれる芳香族炭化水素類の潜在的なリスクを認識しています。

結論

ワセリンに発がん性物質が含まれている可能性があるという懸念は根拠がありますが、現時点ではワセリンの使用と発がん性との間に明確な因果関係があることを示唆する証拠はほとんどありません。FDAは、ワセリン製品が一般的に安全であると考えていますが、芳香族炭化水素類の潜在的なリスクを認識しています。

推奨事項

芳香族炭化水素類への曝露を最小限に抑えるために、次の点を考慮してください。

• 香料や着色料が添加されていない、未精製のワセリン製品を選択する。
• ワセリンを肌に長時間塗布したり、皮膚の大きな面積に塗布したりしない。
• ワセリンを傷口や粘膜に塗布しない。