寝かしつけはいつが1番大変ですか？

寝かしつけ、それは育児における永遠のテーマと言えるかもしれません。天使のように眠る赤ちゃんもいれば、夜泣きで親を困らせる赤ちゃんもいます。では、一体いつが寝かしつけで一番大変なのでしょうか？ 多くの調査や育児経験談から、明確な「一番」を断定するのは難しいものの、いくつかの時期に特に苦労する傾向があることが分かります。単に「大変」というだけでなく、その大変さの質も時期によって大きく異なる点に注目する必要があります。

新生児期（生後0ヶ月～3ヶ月）は、まさに嵐の前の静けさ、あるいは嵐の中心と言えるかもしれません。まだ昼夜のリズムが確立されておらず、赤ちゃんは頻繁に授乳を要求し、眠りも浅く、短い時間しか眠れません。抱っこ紐で寝かしつけたり、揺らしたり、授乳を繰り返したりと、親は常に赤ちゃんに寄り添い、まるで自分自身が24時間体制で稼働しているような感覚に陥るでしょう。この頃の大変さは、肉体的な疲労と、常に赤ちゃんに気を配らなければならない精神的な負担が主な原因です。睡眠不足は、親のメンタルヘルスにも深刻な影響を与えかねません。

生後4ヶ月～6ヶ月頃は、多くの赤ちゃんが「寝返り」をマスターします。これは、寝かしつけにおいて大きな転換期となります。今まで仰向けに寝かせておけば良かった赤ちゃんが、寝返りを繰り返し、いつの間にかうつ伏せで寝ていたり、寝相が悪くなったりします。安全面への配慮はもちろん、寝返りを繰り返すたびに起き上がってしまうため、寝かしつけに時間がかかり、親の疲労は蓄積していきます。さらに、この頃には、離乳食が始まり、生活リズムの変更にも対応しなければなりません。

生後7ヶ月～1歳頃になると、赤ちゃんはより活発に動き回り、好奇心旺盛になります。昼間の活動量が増えるため、夜間の睡眠時間が短くなったり、夜泣きが激しくなったりするケースも見られます。また、この頃には、自我が目覚め始め、親の指示に従わなくなることもしばしば。寝かしつけの際に、絵本を読んだり、歌を歌ったり、おしゃぶりをさせたりと、様々な工夫が必要になり、親の創意工夫が試される時期と言えるでしょう。

1歳～2歳頃は、言葉の理解が進み、自分の意思を伝えられるようになってきます。しかし、その意思表示が「寝たくない！」という強い拒否反応として現れることもあります。絵本を読んでも、歌を歌っても、効果がないどころか、逆効果になることさえあります。この頃の大変さは、赤ちゃんとの意志のぶつかり合い、そして、親の忍耐力の試練と言えるでしょう。

このように、各時期で寝かしつけの大変さは質的に異なります。新生児期の肉体的な疲労、生後半年頃の寝返りと安全への配慮、7ヶ月～1歳頃の言葉の獲得と自我の芽生え、1歳～2歳頃の子どもの意思表示への対応など、それぞれに特有の困難が伴います。どの時期が一番大変かは、赤ちゃんや親の性格、育児環境によっても大きく左右されるでしょう。大切なのは、それぞれの時期に合わせた工夫と、周りのサポートを活用しながら、親自身も心身ともに健康を維持することです。そして、寝かしつけに苦労しているのは自分だけではない、ということを理解し、周りの親御さんとの情報交換や相談も有効な手段となるでしょう。 完璧な寝かしつけ方法など存在しません。大切なのは、赤ちゃんとの信頼関係を築き、穏やかな気持ちで育児に取り組むことです。