帝王切開後、どのくらい安静にしていればいいですか？

帝王切開後、どのくらい安静にしていればいいですか？

帝王切開は、お腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術です。母体への負担が大きく、自然分娩よりも回復に時間が必要です。産後の安静期間は、母体の状態や生活環境によって大きく異なりますが、一般的には6週間から8週間と言われています。この時期を「産褥期」と呼び、心身ともに回復するための大切な期間です。

入院中は、医療スタッフの指示に従い、無理をせず安静に過ごしましょう。手術後2～3日は、痛みや出血が多く、安静が特に重要です。ベッドの上で過ごす時間が長くなりますが、定期的に寝返りを打ったり、足の運動をすることで、血栓症の予防に繋がります。また、深呼吸を意識的に行うことで、肺の機能回復を促し、肺炎の予防にもなります。痛みがある場合は、我慢せずに看護師に相談し、鎮痛剤を使用しましょう。

退院後は、自宅での生活が始まります。無理は禁物ですが、日常生活の中で徐々に体を動かすように心がけましょう。最初のうちは、家事や育児は家族に手伝ってもらい、自分の体の回復に集中することが大切です。具体的には、以下のような点に注意しましょう。

• 重いものを持ち上げない: 買い物袋や洗濯物など、重いものは避けましょう。特に、赤ちゃんを抱っこする以外の重いものは、最低でも6週間は持ち上げないようにしましょう。抱っこ紐を使用する場合は、正しい使い方をマスターし、腰への負担を軽減することが重要です。

• 激しい運動をしない: ランニングや激しいスポーツなどは、産後しばらくは避けましょう。ウォーキングなどの軽い運動は、医師の許可を得てから徐々に開始しましょう。産後ヨガやピラティスなども、体の回復に効果的ですが、無理のない範囲で行いましょう。

• 十分な睡眠をとる: 育児中は睡眠時間が不足しがちですが、睡眠は体の回復に不可欠です。赤ちゃんが寝ている時は、一緒に寝るように心がけ、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。家族に協力してもらい、家事や育児の負担を軽減することも重要です。

• バランスの良い食事を摂る: 産後は、母乳を作るためにも、バランスの良い食事が重要です。鉄分、カルシウム、タンパク質などを積極的に摂取しましょう。水分補給も忘れずに行いましょう。

• 傷口のケアをしっかり行う: 傷口の感染を防ぐために、医師の指示に従って傷口のケアをしっかり行いましょう。シャワーは医師の許可が下りてから浴びることができますが、湯船につかるのは、悪露が完全に止まってからにしましょう。

• 定期検診を受ける: 産後の経過を確認するために、定期検診は必ず受けましょう。気になることや不安なことがあれば、医師に相談しましょう。

帝王切開後の回復には個人差があります。周りの人と比べず、自分のペースでゆっくりと回復していくことが大切です。焦らず、体の声に耳を傾けながら、無理なく過ごしましょう。そして、困った時は、家族や友人、医療スタッフに相談することをためらわないでください。周りのサポートを受けながら、新しい家族との生活を楽しんでください。