赤ちゃんがママの姿が見えないと泣くのは、いつ頃からですか？

赤ちゃんの「後追い」：ママの姿が見えないと泣くのはなぜ？その時期と対処法

生後数ヶ月、可愛い我が子が急に泣き出し、抱っこしても泣き止まない。その原因の一つに、「ママの姿が見えないと泣く」という現象があります。これは、一般的に「後追い」と呼ばれ、赤ちゃんの発達において重要な意味を持つ行動です。しかし、一体いつ頃から始まるのか、その背景には何があるのか、そして親としてどう対応すれば良いのか、多くの親御さんが疑問を抱いているのではないでしょうか。

後追いは、生後5ヶ月頃〜1歳半頃にかけて頻繁に見られるようになります。もちろん、個人差は大きく、早い子では4ヶ月頃から、遅い子では2歳頃まで続く場合もあります。この時期の赤ちゃんは、急速に発達し、物事を理解する能力が高まっています。同時に、自分とママ（もしくは主要な養育者）との区別がつき始め、ママの存在が安心感や安全感の源であることを認識するようになります。ママが視界から消えると、不安や恐怖を感じ、泣き出してママを探し始めるのです。これは、決してわがままや甘えではなく、発達段階における正常な反応なのです。

後追いが始まる時期は、赤ちゃんの発達段階と密接に関連しています。5ヶ月頃には、対象物の永続性（物体が目に見えなくなっても存在し続けるという理解）が芽生え始めます。しかし、この理解はまだ完全ではなく、ママが視界から消えると、「ママは消えてしまった」と誤解してしまう可能性が高いのです。同時に、この頃には、自我意識も芽生え始めます。自分とママは別個の存在であることを認識することで、ママと離れることへの不安が増幅されるのです。

後追いの頻度や強さは、赤ちゃんの性格やママとの関係性、環境にも影響を受けます。神経質な赤ちゃんや、ママとの一体感が強い赤ちゃんは、より強く後追いを示す傾向があります。また、慣れない場所や人、疲れている時なども、後追いが強まる要因となります。

後追いへの対処法は、赤ちゃんへの適切な対応と、親自身の心の持ちようが重要です。まず、赤ちゃんの不安を理解し、共感することが大切です。無理に泣き止ませようとするのではなく、優しく抱きしめ、安心させましょう。言葉で語りかけ、ママがそばにいることを伝え、安心感を高める効果があります。

しかし、常に抱っこしていては、ママの負担も大きくなります。後追いの最中は、赤ちゃんをベビーサークルなどで安全な場所に置いて、少し離れて家事をしたり、休憩を取ったりする時間を作ることも重要です。ただし、急に離れるのではなく、少しずつ離れる時間を増やしていくことが大切です。例えば、最初はママが目の届く範囲にいて、徐々に距離を伸ばしていくなど、段階的に進めていきましょう。

そして、後追いは、一時的なものであり、必ず終わるということを理解しておきましょう。この期間は、赤ちゃんが自立への一歩を踏み出すための大切な過程です。ママとの信頼関係を育み、安心感を高めることで、赤ちゃんは少しずつママから離れても大丈夫という自信を付けていきます。この期間を乗り越えることで、赤ちゃんはより自立し、心身ともに健やかに成長していくのです。

後追いは、親にとって大変な時期ではありますが、赤ちゃんの成長を喜び、適切な対応をすることで、共に乗り越えることができるでしょう。焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて、愛情を持って接することが大切です。