安全運転義務違反の違反点数は？

安全運転義務違反：その意外な落とし穴と、見過ごせないリスク

「安全運転義務違反」という言葉を聞いて、具体的にどのような状況を思い浮かべるでしょうか？ 速度超過や飲酒運転のような重大な違反に比べると、地味な印象を受けるかもしれません。しかし、安全運転義務違反は、日々の運転において誰もが陥る可能性があり、重大な事故に繋がる危険性も孕んでいます。

違反点数は2点、反則金は普通車で9,000円、大型車で12,000円と、決して軽くはありません。二輪車や原付もそれぞれ7,000円、6,000円の反則金が科せられます。しかし、本当に怖いのは、金銭的な負担だけではありません。

安全運転義務違反とは？

道路交通法第70条に定められている安全運転義務は、運転者がハンドルやブレーキを確実に操作し、道路状況に応じて安全な速度と方法で運転する義務を指します。つまり、運転者は常に周囲の状況に注意を払い、危険を予測し、適切に対応しなければならないのです。

具体的には、以下のような行為が安全運転義務違反に該当します。

• 漫然運転： 考え事をしながら運転したり、ぼんやりと運転したりすること。
• 脇見運転： カーナビの操作、同乗者との会話、景色に見とれるなど、前方を注視しない運転。
• 過労運転： 睡眠不足や疲労が蓄積した状態で運転すること。
• 体調不良運転： 病気や薬の影響で集中力や判断力が低下した状態で運転すること。
• 操作ミス： 運転操作を誤り、危険な状態を引き起こすこと。
• 不適切な運転姿勢： 極端にシートを倒したり、肘をついたりするなど、運転姿勢が安定していないこと。
• その他： スマートフォンの操作、飲食、喫煙など、運転に集中できない状態での運転。

見過ごせないリスク：事故と刑事責任

安全運転義務違反は、単なる交通違反ではありません。事故を起こした場合、その責任は非常に重くなります。違反点数や反則金だけでなく、相手への賠償責任が発生する可能性もあります。

さらに、事故の状況によっては、刑事責任を問われることもあります。安全運転義務違反が原因で人を死傷させた場合、過失運転致死傷罪に問われる可能性があり、懲役刑や罰金刑が科せられることもあります。

安全運転のためにできること

安全運転義務違反を防ぐためには、日々の運転において以下の点を心がけることが重要です。

• 運転前の準備： 十分な睡眠をとり、体調を整える。
• 運転中の集中： スマートフォンの操作や飲食など、運転の妨げになる行為は避ける。
• 周囲への注意： 周囲の状況を常に把握し、危険を予測する。
• 安全な速度と車間距離： 道路状況に応じて適切な速度を保ち、十分な車間距離を確保する。
• 運転姿勢： 正しい姿勢で運転し、疲労を軽減する。

安全運転義務違反は、ほんの些細な不注意から引き起こされる可能性があります。常に安全意識を持ち、心身ともに万全な状態で運転に臨むことが、事故を防ぎ、自分自身や周囲の人々を守ることに繋がります。今一度、自身の運転を見直し、安全運転を心がけましょう。