直進車対右折車の過失割合は?

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信号のある交差点における直進車と右折車の事故では、基本過失割合は「直進車20:右折車80」となります。これは直進車が優先されるためです。ただし、直進車が信号無視をした場合は、直進車の過失割合が大きくなる可能性があります。信号の色によって過失割合は変動します。

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交差点事故:直進車 vs. 右折車 – 過失割合の複雑な真実

信号のある交差点における直進車と右折車の事故。よく耳にするケースですが、単純に「直進車優先」と決めつけてしまうのは危険です。過失割合は、事故の状況によって大きく変動し、その判断は非常に複雑になります。一般的に「直進車20:右折車80」という基本過失割合が用いられますが、これはあくまで出発点。実際の事故では、様々な要素が考慮され、最終的な過失割合が決定されます。

では、どのような要素が過失割合を左右するのでしょうか?

1. 信号の色と状況:

最も重要な要素の一つが、それぞれの車両が進入した際の信号の色です。

  • 直進車が青信号、右折車が黄信号または赤信号の場合: 基本的に右折車の過失割合が大幅に大きくなります。赤信号無視は重大な過失とみなされ、100%右折車の過失となる可能性も十分にあります。
  • 直進車が黄信号で進入した場合: 黄信号は「停止線で安全に停止できる場合は停止しなければならない」という義務を伴います。直進車が安全に停止できたにもかかわらず、無理に進入して事故に至った場合、直進車の過失が加算されます。
  • 直進車が赤信号で進入した場合: これは言うまでもなく、直進車の過失割合が大幅に大きくなります。状況によっては直進車の過失が100%となることもあります。
  • 右折車が青信号(矢印信号含む)で右折した場合: 直進車が赤信号無視で進入してきた場合、直進車の過失割合が大きくなります。ただし、右折車にも前方不注意などの過失が認められる場合、過失割合は修正されます。

2. その他の過失要素:

信号の色だけでなく、以下の要素も過失割合に影響を与えます。

  • 速度超過: 直進車、右折車どちらかが速度超過していた場合、過失割合が加算されます。特に、速度超過が事故の主要な原因と判断された場合は、過失割合に大きく影響します。
  • 前方不注意: 周囲の状況を十分に確認していなかった場合、前方不注意とみなされ、過失割合が加算されます。これは直進車、右折車どちらにも当てはまります。
  • 安全確認義務違反: 右折車は、対向車や歩行者の安全を確認する義務があります。安全確認を怠った場合、過失割合が加算されます。直進車も、交差点に進入する際には、周囲の安全を確認する義務があります。
  • 著しい過失・重過失: 飲酒運転、無免許運転、著しい速度超過などは著しい過失または重過失とみなされ、過失割合が大幅に加算されます。

3. 事故状況の立証:

過失割合を決定する上で、事故状況の正確な立証が非常に重要になります。ドライブレコーダーの映像、目撃者の証言、警察の現場検証などが重要な証拠となります。これらの証拠をもとに、保険会社が過失割合を算出し、示談交渉が行われます。

4. 弁護士への相談:

過失割合の判断に納得がいかない場合や、示談交渉が難航する場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、法律の専門家として、適切な過失割合を算出し、示談交渉を有利に進めるためのサポートをしてくれます。

結論:

直進車と右折車の事故における過失割合は、一概に決まるものではありません。信号の色、速度、前方不注意など、様々な要素が複雑に絡み合って決定されます。重要なのは、事故状況を正確に把握し、客観的な証拠を集め、必要であれば専門家の助けを借りることです。安易に「直進車優先」と判断せず、冷静に状況を分析し、適切な解決を目指しましょう。