鉄道用語で「カニ」とは何ですか？

鉄道用語「カニ」とは？ – 知られざる電源車の世界

鉄道ファンなら一度は耳にしたことがあるであろう「カニ」という言葉。しかし、その意味を問われると、正確に答えられる人は意外と少ないかもしれません。一般的に「カニ」と言えば、あの甲殻類を思い浮かべる人がほとんどでしょう。しかし、鉄道用語における「カニ」は、全く異なる意味を持っています。

鉄道用語における「カニ」とは、重量が47.5トン以上の電源車を示す略号なのです。この奇妙な愛称は、どのようにして生まれたのでしょうか？

その由来を紐解くと、鉄道車両の分類記号にたどり着きます。「カ」は車両の重量を表し、一定の重量を超える車両に付与されます。そして「ニ」は、荷物電車を意味する記号として使われていました。電源車は、客車などに電力を供給するための車両であり、昔は荷物電車に発電機を搭載したものが多かったことから、「ニ」の記号が使われるようになったという説が有力です。

つまり、「カニ」は、重量のある荷物電車のような電源車、というイメージから生まれた略称と言えるでしょう。

電源車は、主に客車列車で使用され、冷暖房や照明などの電力を供給する役割を担っています。特に、長距離を走行する寝台列車などでは、欠かせない存在です。近年では、技術の進歩により、客車自体に電源装置を搭載する例が増えてきましたが、依然として電源車は、鉄道輸送を支える重要な役割を担っています。

「カニ」という愛称は、そのユーモラスな響きとは裏腹に、鉄道車両の奥深さを感じさせる言葉です。次に駅で「カニ」と書かれた車両を見かけたら、その車両が持つ歴史や役割に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

さらに、電源車には様々な種類があり、ディーゼルエンジンで発電するタイプや、交流電気を直流に変換するタイプなど、それぞれ異なる仕組みを持っています。これらの電源車は、日本の鉄道網の様々な場所で活躍しており、地域や路線によって異なる型式の「カニ」を見ることができます。

鉄道の世界は、一見すると難解に見えるかもしれませんが、このようなユニークな略称や専門用語を通して、その魅力を発見することができます。「カニ」をきっかけに、鉄道の世界に一歩足を踏み入れてみれば、きっと新たな発見があるはずです。