DPD手動再生中から走行してもいいですか？

DPD手動再生中、走り続けても大丈夫？ 危険性と正しい対処法を解説

ディーゼル微粒子捕集フィルター、通称DPF。クリーンディーゼル車には欠かせないこの装置は、排気ガス中の有害な粒子状物質（PM）を捕集し、燃焼させて除去する役割を担っています。DPFがPMで詰まると自動再生が行われますが、状況によっては手動再生が必要になるケースも。では、DPD（ディーゼル微粒子捕集装置）手動再生中に「DPDスイッチ押して下さい」という表示が出てブザーが鳴った場合、走行を続けても問題ないのでしょうか？

結論から言うと、走行自体は可能です。しかし、再生が中断されるため、推奨される行為ではありません。この記事では、DPD手動再生中に走行を続けることのリスクと、正しい対処法について詳しく解説していきます。

なぜ「DPDスイッチ押して下さい」と表示されるのか？

DPD手動再生は、DPFに蓄積されたPMを高温で燃焼させるプロセスです。このプロセスには一定の時間とエンジン回転数が必要になります。走行中に「DPDスイッチ押して下さい」と表示されブザーが鳴るのは、再生に必要な条件が満たされていないことを意味します。例えば、エンジン回転数が低すぎる、あるいは走行速度が遅すぎるなどの理由が考えられます。

走行を続けるとどうなるのか？

表示が出てブザーが鳴っている状態で走行を続けると、DPD再生は中断されます。一時的に走行しても大きな問題が発生するわけではありませんが、再生が完了しないため、DPFにPMが蓄積し続け、最悪の場合、DPFの目詰まりを引き起こす可能性があります。

DPFが目詰まりすると、エンジン出力が低下したり、燃費が悪化したりするだけでなく、エンジン警告灯が点灯し、最終的には走行不能になることもあります。修理には高額な費用がかかるため、DPDの警告表示は決して無視すべきではありません。

正しい対処法

「DPDスイッチ押して下さい」と表示されブザーが鳴った場合は、以下の手順に従って対処しましょう。

1. 安全な場所に停車する: 路肩や駐車場など、安全な場所に車を停めます。
2. DPDスイッチを押す: 表示に従ってDPDスイッチを押し、手動再生を開始します。
3. アイドリング状態を維持する: 再生が完了するまで、エンジンをかけたままアイドリング状態を保ちます。再生には通常15～30分ほどかかります。
4. 再生完了を確認する: 表示灯が消え、ブザーが鳴り止んだら再生は完了です。

DPD手動再生中は、排気ガス温度が非常に高くなるため、可燃物に近づけないよう注意が必要です。また、周囲に人がいないことを確認してから再生を開始しましょう。

再生が頻繁に発生する場合

DPD再生が頻繁に発生する場合は、車の使用方法に問題がある可能性があります。例えば、短距離走行が多い場合、DPFが十分に温まらず、自動再生がうまく機能しないことがあります。このような場合は、定期的に長距離走行を行うことで、DPFの自動再生を促すことができます。

また、エンジンオイルの劣化もDPD再生頻度を高める要因となります。DPF搭載車には専用の低灰分オイルを使用する必要があるため、オイル交換の際は必ず指定のオイルを使用しましょう。

まとめ

DPD手動再生中に走行を続けることは可能ですが、再生が中断され、DPFの目詰まりにつながるリスクがあります。警告表示が出た場合は、安全な場所に停車し、DPDスイッチを押して手動再生を完了させましょう。DPFを適切に管理することで、車の性能を維持し、高額な修理費用を避けることができます。 日頃からDPFの仕組みや正しい対処法を理解しておくことが大切です。

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