DPD手動再生中のまま走行してもいいですか？

DPD手動再生中走行しても大丈夫？安全運転を最優先した上で考えるべきこと

車の運転中に、様々な警告灯や表示が点灯することがあります。その一つに、DPD（ディーゼルパティキュレートフィルター）の手動再生表示があるかもしれません。この表示が点灯し、手動再生中なのに走行しなければならない状況に遭遇した場合、どうすれば良いのでしょうか？ 焦る気持ちも分かりますが、安全運転を最優先した上で冷静に対処することが重要です。

冒頭にも触れた通り、緊急の場合を除き、DPD手動再生中は走行を続けることは推奨されません。説明書にも記載されている通り、DPDスイッチを押すことで再生を中断できます。しかし、中断はあくまでやむを得ない場合の対処法であり、再生を完了させることが理想です。なぜなら、DPD再生は排気系に蓄積された煤（すす）を燃焼させる重要なプロセスであり、不完全な再生はフィルターの寿命を縮めたり、最悪の場合、排気系の故障につながる可能性があるからです。

では、「やむを得ない場合」とは具体的にどのような状況でしょうか？ 例えば、以下の様なケースが考えられます。

• 緊急車両の通行を妨げている場合: 救急車や消防車などが近づいてきて、通行を妨げている場合は、安全を確保した上で路肩に車を寄せてDPD再生を中断する必要があります。
• 事故や故障により危険な場所に留まっている場合: 車両故障や事故などで、現在地にとどまっていることが危険な場合、DPD再生を中断して安全な場所に移動する必要があります。
• 予期せぬ道路状況の変化: 例えば、突然の豪雨や地震、道路の陥没など、走行を続けられない状況になった場合も、安全な場所に移動するために再生を中断する必要があります。

しかし、これらの緊急時以外に、渋滞を避けるため、予定時間に間に合わせるためといった理由で走行を続けるのは避けるべきです。DPD再生に必要な時間は、車種やフィルターの状況によって異なりますが、通常は数十分から1時間程度です。その間、安全な場所に停車して再生が完了するのを待ちましょう。

DPD再生中は、エンジン回転数がやや高くなったり、排気音が大きくなったりすることがあります。これは正常な現象です。しかし、異臭や異音、白煙などが発生した場合、すぐに車を安全な場所に停車させ、販売店や整備工場に連絡しましょう。これはDPD再生に問題が発生している可能性を示唆しています。

また、DPD手動再生表示が消灯したからといって、すぐに激しい運転をするのは避けましょう。再生後しばらくは、エンジンに負担がかかっている可能性があります。穏やかな運転を心がけ、エンジンを適切に冷却することが重要です。

結論として、DPD手動再生中は可能な限り走行を避け、再生が完了するまで安全な場所に停車することが最善です。やむを得ず走行しなければならない場合は、DPDスイッチを押して再生を中断できますが、その後のメンテナンスや、DPDの寿命に影響を与える可能性があることを理解しておきましょう。安全運転を第一に考え、適切な対処をすることで、車のトラブルを未然に防ぎ、長く安全に車を乗り続けることができます。 常に車両の取扱説明書をよく読んで、適切な対処方法を理解しておきましょう。