VAZの親外車は何ですか?

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VAZ(ワズ、現在のラーダ)は、かつてイタリアの自動車メーカー、フィアットとの技術提携により誕生しました。長らくフィアットの技術を導入していましたが、2022年に株式譲渡が行われ、現在はフランスのルノーグループ傘下ではなく、別の企業グループの傘下となっています。

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VAZ(ラーダ)のルーツ:フィアットとの蜜月、そして新たな旅立ち

VAZ、今やラーダという名で親しまれているロシアの国民車は、その歴史を紐解くとイタリアの自動車メーカー、フィアットとの密接な関係が見えてきます。ソビエト連邦時代、西側諸国の技術導入は慎重に行われていましたが、自動車産業の発展を目指し、フィアットとの技術提携が実現しました。

この提携は、単なる技術供与に留まらず、VAZという巨大な自動車工場を建設し、そこでフィアットの車種をベースとした車両を生産するという、国家規模のプロジェクトでした。特に有名なのは、フィアット124をベースとしたVAZ-2101、通称「ジグリ」です。これは、当時のソビエト連邦において、個人所有が可能な数少ない自家用車の一つであり、広く普及しました。

「ジグリ」は、フィアット124の単なるコピーではありません。寒冷地での使用を考慮した改良や、より頑丈な構造への変更など、ソビエトの道路事情に合わせた独自の進化を遂げました。その結果、耐久性と信頼性に優れた車として、ソビエト連邦だけでなく、東欧諸国や発展途上国でも広く愛用されました。

その後も、VAZはフィアットの技術を導入し、VAZ-2103、VAZ-2106など、様々なモデルを開発・生産しました。これらのモデルは、フィアットの技術をベースとしながらも、VAZ独自の設計思想や製造技術が盛り込まれ、独自の進化を遂げました。

しかし、ソビエト連邦崩壊後、VAZは経営難に陥り、海外の自動車メーカーとの提携を模索することになります。そして、2008年にフランスのルノーグループがVAZの株式を取得し、傘下に収めました。ルノーグループは、VAZの生産設備の近代化や、最新技術の導入を進め、VAZはラーダというブランド名で、新たなスタートを切りました。

近年では、ルノーグループの技術を導入した新型モデルの開発や、デザインの刷新など、積極的な改革が行われてきました。しかし、2022年のウクライナ侵攻をきっかけに、ルノーグループはロシアからの撤退を決定し、VAZの株式をロシア政府系の企業に譲渡しました。

これにより、VAZ(ラーダ)は再びロシア企業傘下となり、ルノーとの提携関係は解消されました。今後は、ロシア国内での部品調達や、中国などの海外メーカーとの提携を通じて、独自の道を歩むことになるでしょう。

VAZ(ラーダ)の歴史は、フィアットとの技術提携から始まり、ルノーグループとの提携、そして再びロシア企業傘下へと、変化に富んだものでした。今後、VAZ(ラーダ)がどのような進化を遂げるのか、注目が集まります。

このように、VAZのルーツはフィアットにありますが、その後の歴史は、ソビエト連邦の時代背景や、ロシア経済の変遷、そして国際的な自動車業界の動きに翻弄されながらも、独自の進化を遂げてきた、非常に興味深いものです。