ベトナムの所得税は高いですか?
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ベトナムの所得税は本当に高いのか? 日本との比較から見える実情
「ベトナムの所得税は高い」という意見を耳にすることがありますが、一概にそう断言することはできません。確かに、一定の所得水準を超えると、ベトナムの税率は日本よりも高くなる場合があります。しかし、税制全体を理解するためには、所得水準、課税対象、控除制度など、様々な要素を考慮する必要があります。
提示されている例では、月収40万円を超えるとベトナムで35%の税率が適用され、日本で20%であるとされています。これは事実の一面を捉えていますが、より詳細な比較が必要です。
ベトナムの個人所得税(PIT)の仕組み:
ベトナムの個人所得税は累進課税制度を採用しており、所得に応じて税率が上がります。税率は以下の通りです。
- Level 1: 年間所得 60 million VND (約36万円) まで: 5%
- Level 2: 年間所得 60 million VND 超え 120 million VND (約72万円) まで: 10%
- Level 3: 年間所得 120 million VND 超え 216 million VND (約130万円) まで: 15%
- Level 4: 年間所得 216 million VND 超え 384 million VND (約230万円) まで: 20%
- Level 5: 年間所得 384 million VND 超え 624 million VND (約375万円) まで: 25%
- Level 6: 年間所得 624 million VND 超え 960 million VND (約576万円) まで: 30%
- Level 7: 年間所得 960 million VND (約576万円) 超え: 35%
日本との比較における注意点:
- 所得水準: ベトナムと日本では平均所得が大きく異なります。ベトナムでは、所得水準が高い層に該当する人が限られているため、35%という高い税率が適用される人はごく一部です。
- 社会保険料: 日本では所得税以外にも、社会保険料(健康保険、厚生年金など)の負担があります。ベトナムでも社会保険料は存在しますが、日本のそれに比べて一般的に低い傾向にあります。税金と社会保険料を合わせた総負担額で比較検討する必要があります。
- 控除制度: 両国には様々な控除制度があり、所得税額を軽減することができます。例えば、扶養控除、医療費控除、生命保険料控除などがあります。これらの控除を考慮することで、実際の税負担は大きく変わることがあります。
- 居住形態: ベトナムでは、居住者と非居住者で課税方法が異なります。居住者には全世界所得が課税されますが、非居住者にはベトナム国内源泉所得のみが課税されます。
結論:
ベトナムの所得税は、所得水準が高い層には日本よりも高い税率が適用される場合があります。しかし、税制全体を理解するためには、所得水準、社会保険料、控除制度など、様々な要素を考慮する必要があります。単純に税率だけを比較するのではなく、個々の状況に合わせて総合的に判断することが重要です。
ベトナムでの就労を検討している場合は、税理士などの専門家へ相談し、自身の所得や状況に応じた税負担を事前に把握することをお勧めします。
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