後期高齢者のがんにかかる医療費はいくらですか?

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75歳以上の後期高齢者医療制度では、医療費の自己負担は原則1割(現役並み所得者は3割)です。令和4年10月1日からは2割負担も追加されました。手続きは不要で、受診時に「後期高齢者医療被保険者証」を提示するだけで、窓口負担が軽減されます。所得に応じて自己負担割合が変わる点に注意が必要です。

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後期高齢者のがん治療、医療費は一体いくらかかるのか?

75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度。人生100年時代と言われる現代において、誰もが他人事ではない制度です。特に、高齢になるほど罹患リスクが高まる「がん」と診断された場合、医療費はどの程度かかるのでしょうか?制度の概要と、がんの種類、進行度、治療法によって大きく変動する医療費について解説します。

後期高齢者医療制度における自己負担割合

まず、後期高齢者医療制度における自己負担割合を確認しましょう。原則として、自己負担割合は1割ですが、一定以上の所得がある方は3割負担となります。さらに、令和4年10月1日からは、一定の所得要件を満たす方は2割負担となりました。自己負担割合は、所得によって決定されるため、毎年見直しが行われます。ご自身の負担割合は、お住まいの自治体から送付される保険証などで確認できます。

がん治療にかかる医療費の実際

がん治療にかかる医療費は、がんの種類、進行度、選択する治療法によって大きく異なります。例えば、早期発見された胃がんであれば、内視鏡手術で済む場合もあり、入院期間も短く、医療費も比較的抑えられます。しかし、進行したがんであれば、手術、放射線治療、抗がん剤治療などを組み合わせる必要があり、入院期間も長くなるため、医療費は高額になる傾向があります。

具体的に、がんの種類別の平均的な医療費の例をいくつか紹介します。(あくまで一例であり、個々の状況によって大きく変動します。)

  • 胃がん(手術、抗がん剤治療): 年間50万円~150万円程度
  • 肺がん(手術、放射線治療、抗がん剤治療): 年間70万円~200万円程度
  • 大腸がん(手術、抗がん剤治療): 年間60万円~180万円程度

これらの医療費は、あくまで自己負担額ではなく、保険適用前の医療費です。後期高齢者医療制度を利用することで、自己負担割合に応じて窓口負担が軽減されます。

高額療養費制度を活用しよう

高額な医療費が発生した場合、高額療養費制度を活用することで、自己負担額を一定額に抑えることができます。高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた金額が払い戻される制度です。自己負担限度額は、所得によって異なります。高額療養費制度を利用するためには、申請が必要な場合がありますので、お住まいの自治体や加入している医療保険者に確認しましょう。

がん保険の必要性

高齢になってからがん保険に加入することは、保険料が高くなる傾向があります。しかし、がん治療は長期にわたる場合が多く、医療費だけでなく、入院中の生活費や交通費なども考慮すると、経済的な負担は大きくなります。がん保険は、このような経済的な負担を軽減する手段の一つとして有効です。加入を検討する際は、保障内容や保険料を比較検討し、ご自身の状況に合った保険を選びましょう。

まとめ

後期高齢者のがん治療にかかる医療費は、がんの種類や進行度、治療法によって大きく異なります。後期高齢者医療制度や高額療養費制度を活用することで、自己負担額を軽減することができます。また、がん保険も経済的な負担を軽減する手段として有効です。日頃から健康に気を配り、定期的な健康診断を受けることで、がんの早期発見に努めましょう。もし、がんの疑いがある場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。そして、医療費について不安な場合は、医療機関の窓口や、お住まいの自治体の相談窓口に相談することをおすすめします。