東西線が赤字なのはなぜですか？

京都市営地下鉄東西線の赤字の要因

京都市営地下鉄東西線は、京都の中心部を東西に結ぶ重要な交通機関ですが、長年赤字経営に悩まされています。この赤字の原因を以下に探ります。

1. 建設費の高騰

東西線の建設は1990年代のバブル経済期に行われ、この期間中に建設費は急騰しました。当初の予算は3,000億円と見積もられていましたが、最終的な建設費は8,800億円に達し、当初の3倍近くに膨れ上がりました。この大幅な予算超過が、東西線の経営に大きな影響を与えています。

2. 需要予測の失敗

東西線の建設当時は、バブル経済の真っ只中で、乗客数の増加が期待されていました。しかし、バブル崩壊後の経済低迷により、乗客数は当初の予測を大幅に下回りました。開業当初は1日あたり20万人の乗客が見込まれていましたが、実際には10万人程度にとどまっています。

3. 膨大な減価償却費

東西線は高額な建設費を投じて建設されたため、減価償却費が非常に大きくなっています。この減価償却費は毎年計上され、経営を圧迫しています。さらに、建設費の高騰により、減価償却期間も長くなるという悪循環に陥っています。

4. 運行コストの高さ

東西線は地下を走行するため、運行コストが地上を走行する路線よりも高くなります。トンネルの維持管理や換気設備の設置などに多額の費用がかかります。また、東西線は単線区間があるため、運行本数や速度が制限され、効率的な運行ができません。

5. 競合路線の存在

東西線は京都市の中心部を東西に結ぶ重要な路線ですが、並行してJR京都線や阪急京都線が走っています。これらの路線は運賃が安く、運行本数も多いことから、東西線と競合しています。そのため、東西線の利用客は分散しており、収入の増加が困難になっています。

以上の要因が複合的に絡み合い、東西線が長期にわたり赤字経営を続けています。建設費の高騰と需要予測の失敗が最大の要因ですが、減価償却費の大きさ、運行コストの高さ、競合路線の存在も赤字に拍車をかけています。