20歳のうち彼氏がいない割合は？

20代、恋人がいないのはなぜ？5割の女性、7割の男性が抱える現代の恋愛事情

2022年版男女共同参画白書に掲載された衝撃的なデータがあります。20代女性の約5割、そして男性の約7割が恋人がいない、という事実です。これは単なる数字ではありません。現代の若者を取り巻く複雑な恋愛事情、そして社会構造の変化を浮き彫りにする、重要な指標と言えるでしょう。 なぜ、これほど多くの20代が恋人を持たない選択、あるいは状況にあるのでしょうか？

単に「出会いがない」という言葉では片付けられない、多角的な要因が考えられます。まず挙げられるのは、社会構造の変化です。かつては職場や地域社会での自然な出会いがありましたが、現代では、個人の生活圏が狭まり、他者との接点を持つ機会が減少しています。特に都市部では、一人暮らしが多く、近隣住民との交流も限定的になりがちです。オンラインゲームやSNSでのコミュニケーションが中心となる若者も多い中で、リアルな人間関係を構築する機会の減少は、恋愛への影響も無視できません。

次に重要なのは、キャリアや自己実現への意識の高まりです。特に女性においては、学業やキャリアに注力し、結婚や恋愛を後回しにする傾向が強まっています。高度な専門性を求められる現代社会において、自己実現への道は険しく、その達成に時間と労力を費やすことは、当然の選択と言えるでしょう。恋愛は人生における重要な要素ではありますが、もはや人生の全てではないという考え方が、多くの女性の間で広まっていると言えるでしょう。

さらに、恋愛に対する価値観の変化も無視できません。従来の恋愛観、例えば「結婚前提の交際」や「一生のパートナーを見つける」といった考え方は、必ずしも若者世代に共有されているとは言えません。多様な恋愛スタイルが受け入れられるようになり、恋愛そのものを軽視する、あるいは恋愛よりも自己実現や友人関係を優先する若者も増えています。 「恋愛は必ずしも幸せの絶対条件ではない」という認識は、恋人を持たない選択を正当化する一つの理由となっていると考えられます。

また、SNSやマッチングアプリの普及も、複雑な影響を与えています。手軽に出会いの場が提供される一方で、選択肢が多すぎることによる「選り好み」や、非現実的な理想像への傾倒、そしてマッチングアプリ特有の「消耗感」といった問題も発生しています。これらは、かえって恋愛へのハードルを高めている可能性も否めません。

そして最後に、経済的な不安も大きな要因です。将来への不安、結婚や子育てにかかる費用への懸念は、恋愛に踏み込むことを躊躇させる要因となり得ます。特に、非正規雇用が増加している現代において、経済的な安定を確保すること自体が難しい状況にある若者も多いのです。

このように、20代における未婚・交際経験ゼロの割合の高まりは、単なる「出会いがない」という問題ではなく、社会構造、価値観、経済状況といった多様な要因が複雑に絡み合った結果であると言えます。この問題を解決するためには、個人の努力だけでなく、社会全体の意識改革や制度的な支援が必要不可欠と言えるでしょう。 真に充実した人生を送るために、恋愛は必要か否かは個人の判断に委ねられますが、この現状を理解し、多様な恋愛観を受け入れる社会の構築が求められています。